ブラウザのバージョン番号は、閲覧者の環境を確認するために使われるUser-Agent (UA) に組み込まれる形でシステム側(Webサイト側)に渡されています。下記のような文字列をどこかで目にしたこともあるでしょう。
- Chrome: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/94.0.4606.54 Safari/537.36
- Firefox: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.15; rv:96.0) Gecko/20100101 Firefox/96.0
上記の場合、Chromeはバージョン94、Firefoxはバージョン96を使っていることがわかります。システム側(Webサイト側)ではこれを利用して、特定バージョン以上でしか使えない機能がある場合などにはバージョンアップを促したり、表示を変えたりするわけです。
この判定を行う際、バージョンを2桁で処理していたシステムの場合、初の3桁バージョンとなる100をバージョン00と誤動作する可能性があるというのが、注意喚起の内容です。
実際、そんなことはあるのかと思いますが、試しにChromeのバージョンを100にセットし(chrome://flags/#force-major-version-to-100 を有効にするとテスト的にバージョンを100にできます)、Bethesdaにアクセスするとバージョンアップを促されます。
これはまだいい方で、スタンダードチャータード銀行のインドサイトは、サポートしていないとして表示すらされません。
バージョン100リリース時に、こうした不具合が頻発し混乱するのを避けるために事前に確認して欲しいというのが注意喚起の主な目的です。
なお、ChromeもFirefoxも、混乱が広範囲に広がった場合には、バックアッププランとしてバージョン番号を99に固定し、UA内のマイナーバージョンにメジャーバージョンをセットするという方法を検討しています。
- Chrome: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/94.0.4606.54 Safari/537.36
この例でいうと、94.0.4606.54の94の次の0がマイナーバージョン。ただし、マイナーバージョンは長らく0以外がセットされていないため、これはこれで問題が発生するかもしれないとのことです。
ちなみに、Chromeのバージョン100は3月29日、Firefoxは5月3日にリリース予定となっています。
Source: web.dev