国連が主催する、地球に接近する小惑星の軌道を如何にずらすかという技術論文コンクールでMITの院生Sung Wook Paek氏が優勝しました。その内容は、小惑星にペイントボールをぶつけるというもの。
これだけだとなんのことかわかりませんが、要するに小惑星の表面を光を反射する塗料で覆うことで太陽からの放射圧が増し、それによって時間はかかるが軌道がそれるというものです。放射圧は放射が完全に反射される場合には放射が物体に吸収される場合に比べて2倍の圧力になるそうですよ。
放射圧というと難しいですが、光圧、光子の圧力と言い換えると分かりやすい(?)かもしれません。そんなもので物が動くのかというと動くんですよね。最近ではイカロスがこの放射圧をつかったソーラーセイルの実証実験を行なっています(放射圧を帆船の帆のようなもので受けて推進する)。大きな話題となった惑星探査機はやぶさも故障した機器の代わりに太陽パネルを利用したソーラセイルで放射圧を受け、姿勢制御を行いました。
2029年に小惑星アポフィスが地球のすぐそば(静止軌道付近)を通過し、その後2039年あたりに衝突の可能性がある軌道を通ると言われています。今回の技術を使うと放射圧が堆積し、軌道をそらすまでに20年かかるそうなのですぐに準備を始めれば2039年の衝突は回避できそうですね。
(via TechCrunch)
(source Psys.org)