電気通信大学は4月14日、5指独立駆動型のサイボーグ義手の開発と実用化に成功し、厚生労働省の補装具等管制用部品として認定されたと発表しました。
開発されたサーボーグ義手は、3chの筋電センサを用いて5指ロボットハンドを制御するというもの。特徴として、制御用のソフトウェアは適応学習機能を搭載しており、利用者の筋電パターンと義手の手指運動パターンを対応付けることで、利用者それぞれに最適化を行えます。
この義手システムは、3名の被験者と3か所の病院および義肢装具会社の協力を得て、3か月間のフィールドテストを実施。主治医の診察として日常生活において有効に機能し、被験者の生活向上に寄与するとの評価を獲得しました。この結果を踏まえ、厚生労働省が定める「補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準に係る完成用部品」のリストに掲載されています。ようするに、利用者は市町村に申請すれば、原則1割負担(所得制限等もあります)で購入・利用が可能になります。
参考
こうした筋電義手はこれまでもあったものの、海外製品が主であり、輸入品であるためにコスト高であるとともに、機能的にも制限が大きく、自由に機能追加などの開発を行うことが困難だったとしています。なお、電動義手で完成用部品に登録されているものは国外製大手3社のものと2018年に電気通信大の研究グループが開発したもののみであり、国産義手としては2例目になるとのことです。
Source: 電気通信大学