ちょくちょく耳にするものの、よく考えるとなぜそう呼ばれるのかわからないものは結構あります。以前に書いた「ガジェット」も代表的なものの一つ。
そして今回、Mashableに「なぜドングルはドングルと呼ばれるのか?」という記事が掲載されていたので紹介したいと思います。
もともとはセキュリティーキー的なもの
私がドングルと聞いて思い出すのは、SIM挿して通信させるUSBドングルなのですが、最近はiPhoneにも付属しているLightning to 3.5mm変換アダプタなどもドングルと呼ばれていたりします。
そんなドングルのWikiPediaでの説明は下記。
ドングル(Dongle)は、コンピュータに接続する小さな装置を指す俗語。主にプロプライエタリ・ソフトウェアが正規のライセンスの下に使用されているかをチェック(一種のコピーガードの目的)するために使用されるごく小さなハードウェア(プロテクトドングル)のことを指すが、PS/2コネクタにUSBマウスを接続するために使用される変換コネクタなど、インタフェースの変換を行う小型の装置のこともドングルと呼ぶ。モバイルブロードバンドで使用するUSBモデム端末もドングルと呼ばれる。
もともとは、PCでソフトウェアを実行する際、そのソフトが認証されたもの(ライセンス品)であることを担保するためのセキュリティーキー的な使い方をするものをドングルと呼んでいたようです。
語源は「Dangle(ぶら下がる)」の変化?
語源については諸説あり、正確なところは不明ですが、The Oxford English Dictionaryによれば、1981年に刊行された雑誌New Scientistには、上記の本来の使い方でのドングルの記載があるとのこと。
このことから、少なくとも40年近い歴史があることはわかります。
The Wall Street Journalのコラムニストで、辞書編纂者でもあるBen Zimmer氏は、「Dangle(ぶら下がる)」の変形だろうと語っており、形状的にもぶら下がることが多いので、この説はもっともらしく聞こえます。
でも初期のころからぶら下がっていたわけではないでしょうし、ちょっと微妙な気も。
Commodore PETが名付け親説
そんな初期に目を点けているのがスタンフォード大の言語学者で辞書の編集者でもあるSarah Ogilvie氏。同氏は1977年に発売されたCommodore PET computerがその起源ではないかと考えています。
Commodoreが最初にドングルという言葉を使った記録はありませんが、Commodore PETは最初期のパーソナルコンピューターであり、ドングル状のものを使っていたので、名付け親である可能性は高いとのことです。
ただ同社はすでに廃業しており、確認が取れていません。Mashableでは初期のCommodore PETの開発者とコンタクトが取れれば情報を更新するとしています。
言葉は変化するもの
もとの意味がどうであれ、今ではPCやスマートフォンに接続し、インターフェースを変換するものをまとめてドングルと呼んでいるのは先に書いた通り。
Ogilvie氏によると、「Bird」という単語は1000年前、若い鳥だけを示す言葉であり、鳥全般を指すようになるまで数世紀かかったそうです。
言葉の意味が変化するのはよくあることですが、ドングルの意味合いは40年あまりで急激に変化しているとも言えそうです。
この先10年~20年経ったら、全く別の意味になっているかもしれませんね。
(source Mashable)