Appleがバッテリが劣化した古いiPhoneのピーク性能を意図的に抑えていた問題で、1月下旬より対象のiPhoneについてはバッテリ交換を29ドル(日本では3200円)に値下げすると発表していましたが、この実施が米国では前倒しで既に開始されたようです。
AppleがThe Vergeに語ったところによると「準備が整うのにもっと時間が必要だと思っていたが、すぐに供給できるようになりうれしく思う。ただ一部の交換用バッテリの初期供給には限りがある」とのこと。
この問題、AppleがiPhone 6以降(iPhone 6/6 Plus、6S/6S Plus、iPhone 7/7 Plus、SE)の端末について、バッテリが劣化していた場合、ピーク性能を抑えて予期せぬシャットダウンを防ぐ仕組みを導入したのが発端です。
バッテリが劣化した場合、単に持続時間が短くなるだけではなく、供給できる電圧そのものが低下します。このため、端末がフル稼働した際に必要な電圧供給できず、シャットダウンしてしまうことも。Appleが施しのはこれを防ぐためのものです。
十分に納得がいく理由ではあるのですが、ユーザーに説明がなく、オプトアプトの選択肢も与えられなかったことで米国では集団起訴に発展しています。これについてAppleが謝罪し、対象の端末についてバッテリ交換の値下げを発表したのが2日前のこと。かなり迅速な対応なのは、それだけ問題視しているということなのでしょうか?
なお、バッテリを交換すれば、ピーク性能はもとに戻るとのことです(また劣化すると抑えられるのだと思いますが)。
2018年早々にバッテリの劣化状態が分かるようになるアップデートも予定されているとのことで、自分の端末がバッテリ交換の対象になるのかどうかはそれを見て判断することになるのでしょう。
すでにディスプレイなどをApple以外のサードパーティーで交換していた場合(つまりAppleの保証外になっている場合)にも対象になるのかは不明。米iFixitではバッテリ交換キットを29ドル以下に値下げしましたが、国内の修理業者も追従するのかが気になるとことです。
(source The Verge)