ちょくちょく耳にするものの、よく考えるとなぜそう呼ばれるのかわからないものは結構あります。今回はそんな言葉の1つ、「Bluetooth」について調べて見ました。
規格統一の願いが込められたBluetooth
完全ワイヤレスイヤホンや、マウス、キーボードなど、周辺機器の接続でお馴染みの無線規格Bluetooth。その由来は割と有名な話で、Bluetooth SIGのサイトでも説明されています。
そんなBluetoothの名称は、958年にデンマークとノルウェーを統一したハーラル1世のあだ名である「青歯王」由来します。
1996年(1997年?)Intel、Ericsson、Nokia、東芝、IBMの技術者が集まり、さまざまな製品や業界間の接続をサポートする短距離無線技術の標準化を計画。このとき、Intelの技術者だったJim Kardachが、乱立する無線技術をスカンジナビア半島のように統一したいという想いを込めて、Bluetoothの名称を提案したとのこと。当時、バイキングとハーラル1世に関する歴史小説を読んでいたので、その名前を思いついたそうです。
ちなみに、当時のIBMと東芝は互いを信頼しておらず、EricsonnとNokiaも同様。このため、Intelが会議のリーダーとなったのですが、Kardach氏はIntelは(中立な)スイスのような立場だったと語っています。
関連:
The Man Who Named Bluetooth | Intel Newsroom
ただし、この時は正式名称ではなく、単に一時的なプレースホルダー(コードネーム)的なもので、正式にはRadioWireまたはPAN(Personal Area Networking)が予定されていました。ところが、PANはすでに広く利用されており、商標がとれそうになく、RadioWireは規格の正式発表までに商標検索の作業が間に合わず、なし崩しでBluetoothが採用されたとのことです。
なお、Bluetoothのロゴもハーラル1世(Harald Blåtand)のイニシャルであるHとBのルーン文字を組み合わせたものになっています。
ハーラル1世はなぜ青歯王と呼ばれたのか?
そもそも、ハーラル1世はなぜ青歯王と呼ばれたのか?これにも所説あるようです。
メジャーなのは、王に青灰色の歯(歯が死んでいた?)があったためとされるもの。もっともらしい話ではありますが、そこまで真っ青な歯だったわけでもないでしょうし、目立つ金歯ならいざしらず、歯の1本が青灰色だったぐらいで青歯王と呼ばれるのも不思議な感じがします。
ほかの説としては、Bluetoothのデンマーク語であるBlåtandのTanは首領や族長を意味し、Blåは「青い」のほか、「暗い、浅黒い」を意味するので、「浅黒い首領」という意味だったというもの。また、青は貴重な色だったため、王の権威を示すのに青い衣装を着ていたことから「青い衣装を着た」という意味だったとする説もあるようです。
関連:
ハーラル1世 (デンマーク王) – Wikipedia
source: Bluetooth SIG