3DプリンターのCrealityが、ポータブル3Dスキャナ『Creality CR-Scan Lizard』の国内先行販売をMakuakeで行っています。
Creality CR-Scan Lizardは、工業デザインも直接応用できる0.05mmの高精度を示現したという3Dスキャナー。マーカーなどを利用する必要もなく、高速にスキャン可能だとしています。
読み込んだモデルは専用ソフトで解析され、そのまま3Dプリントが可能。編集ソフトに取り込んで色や背景を追加するなど3Dモデルとしても楽しめます。
Makuakeでの価格は5万2990円から。早いリターンでは、6月末には出荷の予定となっています。
米国では著作権侵害で係争中
この製品、2月にKickstarterでプロジェクトを実施していたもの。ただし、3月11日にルクセンブルグに本社を置く3Dスキャナの老舗Artecが、ニューヨーク地裁に著作権侵害で訴えており、Kickstarter上ではプロジェクトが削除されています。
訴えによると、Creality CR-Scan Lizardと、前モデルとなるCR-Scan 01が利用するソフトウェアが、Artecの特許を侵害しているとのこと。もう少し詳しく書くと、そのソフトウェア(CR Studio)はArtecのソフトウェア(Artec Studio)をコピーしたものだとしています。
Artecはいくつかの例を挙げて、ソースコードがコピーされたものだと主張。中にはArtec Studioに見られる不具合が、そのままCR Studioで再現できるといったものも含まれています。
話は少し複雑になりますが、以前にArtecの元社員がArtec Studioのソースコードをコピーし、Shenzhen Jimuyida Technology Co, Ltdという企業から「Magic Wand」という名称でソースコードを配布していたとのこと。この件についてはArctecが著作権を持っているということで和解が成立しているようです。そして、CrealityのCR Studioは、このMagic Wandを利用しているとされています。
Kickstarterへは、CrealityへKickstarterで集めた資金を提供しないようにとの仮処分が出されており、今後どうなるかはわからない状態です。
少なくとも、Makuakeでのプロジェクト開始時には訴えられた後だったので、この状況を説明せずに日本で販売を開始するのはいささか不誠実ではという気もします。米国での係争であり、日本では関係ないとの考えなのかもしれません。
ともあれ、製品としてはとてもよくできたものに思えるので、ユーザーに不利益がない形で解決してくれるのを期待したいところです。