総務省は4月15日、「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会」の第2次とりまとめを公表しました。
総務省では、スマートフォンにマイナンバーカード機能を搭載することについて、2020年11月から検討会を開催してきました。今回発表されたのはその最新のとりまとめで、令和4年度(2022年度)中にAndroidスマートフォンへの搭載実現を目指すとともに、iPhoneについても早期実現を目指すとしています。
スマートフォンでのマイナンバーカード活用と言えば、マイナポータル等でのマイナンバーカードの読み取りがあります。確定申告などもスマートフォンから行えるようになり、便利にはなりましたが、都度マイナンバーカードの読み取りが必要です。だったら、スマートフォン自体にマイナンバーカードの機能を持たせてしまえばいいのでは、というのが検討の趣旨となっています。
仕組みとしては、AndroidスマートフォンのSecure Elementにマイナンバーカードの電子証明などを格納。マイナポータルアプリを利用しつつ、サービス側の読み取り機能は既存のマイナンバーカード用のものを共有します。なお、利用するSecure Elementは、ICカードの国際標準化団体であるGlobal Platformの仕様に準拠したもので、2021年度上半期に発売されたスマートフォンでは、一部海外メーカー製SIMフリー端末を除いてGlobal Platform仕様のSecure Element(GP-SE)を搭載しているとのこと。
また、ユースケースとしてはマイナポータルの利用にとどまらず、マイナンバーカードを携行することなくコンビニ等での住民票の写しの取得や、健康保険証代わりの利用なども検討されています。
このほか、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書を利用するためのパスワードについても、スマートフォンの生体認証で代替えすることが検討されています。パスワード忘れや打ち間違いによるロックアウトは減らせるかもしれません。もちろん、スマートフォン紛失時の悪用防止なども検討されています。
実際に動き出すのはこれからといった雰囲気ですが、マイナンバーカードを持ち歩くよりも利便性は高そうです。
Source: 総務省