Appleは6月7日未明(日本時間)に開催した、年次開発者会議WWDC 2022の基調講演において、スマートホームの共通規格「Matter」にiOS 16およびiPadOS 16が今秋対応すると発表しました。
最近は各社からいろいろなスマートホーム製品が登場していますが、それぞれに専用のハブ(ゲートウェイ)デバイスが必要だったり、HomeKit対応デバイスをGogoleアシスタントからは利用できなかったりと互換性がないのが困り所。購入する際に自分の環境(プラットフォーム)で利用できるかなどを事前に調べておかないと、買ったものの使えなかったなんてことにもなります。
こうした問題を解消するため、AmazonやApple、Google、Zigbee Allianceらが中心となって、2019年にスマートホームの共通規格を開発・推進するためのワーキンググループ「Project Connected Home over IP(CHIP)」を発足。共通規格の策定を開始し、2021年5月にMatterとして発表しました。Matter発表にあわせ、Zigbee AllianceはConnectivity Standards Alliance(CSA)へと改名しています。
たとえば、Zigbeeの場合、IKEAのスマート電球をHueのハブで利用できる、ハブがなくてもAmazon Echoから操作できるといった具合に、Zigbee対応のスマートホーム製品であれば、他社のハブ(ゲートウェイ)を介しても利用できました。Matterもオープンソースな共通規格とすることで、プラットフォームに依存しない互換性の実現を目指します。
そんなMatterへの対応をAppleが表明したわけですが、GoogleもAndroidやNestデバイスのMatter対応を発表しており、今秋に利用可能になる予定です。ただ、これによりNest HubをSiriから利用可能になるというわけではないはず。サードパーティのスマートホームデバイス(スピーカーや電球、掃除機、等々)がMatterに対応していれば、HomeKitだろうとGoogleアシスタントだろうと、互換性を気にする必要がなくなるという話です。