ヨシノパワージャパンが、個体電池を採用した小型ポータブル電源の新モデル「YOSHINO B300 SST Pro」を発売しました。価格は5万9900円。
米国のデザイン事務所FuseProjectによってデザインされた、かわいらしい雰囲気のポータブル電源。余談ですが、FuseProjectは小型ゲームコンソール「OUYA」のデザインを手掛けたデザイン事務所です。
もちろん、YOSHINO B300 SST Proはデザインだけの製品ではありません。大きな特徴は、個体電池を採用していること。そして、UPS機能を持っていることです。
ポータブル電源では、最近はリン酸鉄リチウム電池を採用するものが増えており、安全性は比較的高くなっています。電気自動車にも採用されている個体電池は、これと比べても発火のリスクが極めて低く、安全性に優れているのが特徴です。充放電サイクルも4000回と長め。約10年の使用でも80%以上の容量を維持するとしています。
また、充電が速いのも特徴です。241Whのバッテリーを約1時間で80%まで充電できます。ほぼ同容量のJackery 240 New(256Wh)は満充電まで約2時間。緊急充電モードなら1時間で充電できますが、バッテリーが劣化するリスクがあります。
個体電池は、動作する温度範囲が広いのも特徴です。-18℃~60℃で保管でき、-10℃~60℃で使用可能。冬季の車中泊や、夏場に車に積みっぱなしにしていても、通常のポータブル電源よりも安心できそうです。
出力は、AC出力x2、USB-Ax2、USB-Cx2、DCx2、シガーソケット出力に対応。電力供給の目安は下記の通り。
- カメラ(5Wh):約41回充電
- スマートフォン(12Wh):約17日間連続使用
- ドローン(40Wh):約5回充電
- ノートPC(50Wh):約4回充電
- LED電球(11W):約19時間点灯
- 家庭用扇風機(33W):約6時間運転
- TV(100W):約2時間視聴
バッテリー残量などは、専用アプリから確認することも可能です。
UPS機能も備えており、停電や電圧の変動が発生した場合に、0.02秒でバッテリー動作に切り替わります。
リン酸鉄リチウム電池のポータブル電源と比べると、若干割高感はありますが、使用できる温度範囲が広く、発火のリスクが低いのがメリット。災害が多い日本には向いている製品なのかもしれません。