
ASUSは6月、ASUSのゲーミングシリーズ「ASUS TUF Gaming」からNVIDIA GeForce RTX 5070 / 5060 / 5050 Laptop GPUを搭載したゲーミングノート7製品14モデルを発売しました。
14型とゲーミングノートにしては小型ながら、アスペクト比16:10で2.5K、リフレッシュレート165Hz/応答速度3msに対応した「ASUS TUF Gaming A14(FA401KM)」もその中の1台です。直販価格は33万9800円。

CPUは「AMD Ryzen AI 7 350 (8コア/16スレッド)」を搭載。実は2024年モデルは「AMD Ryzen AI 9 HX 370(12コア/24スレッド)」を搭載していました。2025年モデルは大幅にスペックダウンしているのですが、代わりにGPUは「NVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop」にアップグレード。
他シリーズとの兼ね合いもあるのでしょうが、CPUを強化する代わりにGPUをてこ入れして価格を抑える……ということなのかもしれません。
そんなASUS TUF Gaming A14(FA401KM)をお借りしたので、ベンチマークを中心に性能をチェックしてみました。
14型ゲーミングノートASUS TUF Gaming A14
ASUS TUF Gaming A14は、14型のTFT液晶を搭載。解像度は2560×1600ピクセルで、リフレッシュレートは165Hz。応答速度3msのゲーミングディスプレイです。

ディスプレイはノングレア仕様で、上部には207万画素の赤外線カメラを搭載。Windows Helloの顔認証にも対応しています。ただし、物理シャッターは非搭載です。

ゲーミングノートにはあまり必要ない気がしますが、ディスプレイはフラットになります。




キーボードは日本語配列。ASUSのノートPCは、キーボードのキーキャップを交換するだけで、基盤は共通で他の配列が利用できるようになっています。このため、日本語配列の場合、「¥」や「BackSpace」、「無変換」「変換キー」あたりが若干小さくなっています。

これまでTUFシリーズは大きく重いという印象があったのですが、ASUS TUF Gaming A14は、幅311mm×奥行き227mm×高さ16.9~19.9mmに重さ約1.46Kgと比較的コンパクトです。背面排気口などを見ると、かなりごっつい印象ですが、意外と持ち運びやすいかもしれません。
豊富なインターフェース
インターフェースは、向かって左側面に、DCポート、HDMI、USB4 (Type-C/Power Delivery対応) 、USB3.2 (Type-A/Gen2) 、3.5mmジャック。
右側面にmicro SDカードスロット、USB3.2 (Type-C/Gen2)、USB3.2 (Type-A/Gen2) を備えます。

ACアダプタはノートPC本体と比べて大型な200Wタイプ。DCジャックは角形のASUSスリムパワージャックです。なお、Type-CでのPD 100W給電にも対応しています。

ベンチマークで性能を確認
ここからはベンチマーク結果を確認していきます。今回試用している評価機は、AMD Ryzen Al 7 350にRAM32(LPDDR5X-7500)、ストレージは1TB(PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2)。



ASUS TUF Gaming A14は、Armoury CrateでCPUやGPUのパフォーマンスを設定できますが、ベンチマークはすべて「パフォーマンス」、GPUは「スタンダード」で計測しています。 また、比較のため、Ryzen AI 9 HX 370を搭載したASUS Vivobook S14 OLED、Core i9-14900HXにRTX4060搭載のROG Strix G16、そしてASUS TUF Gaming A14と同じRyzen AI 7 350を搭載したROG Zephyrus G16のスコアも併記します。
まず、CPU性能を測るCINEBENCH R23ですが、Core i9-14900HXには及ばないものの、シングル「1962」、マルチで「17017」とまずまず。

続いてPCの総合的な能力を測るPCMark 10ですが、トータルスコアは「7990」。日常的な使い方の「Essentials」、オフィスアプリの「Productivity」、写真編集などの「Digital Content Creation」のすべてが1万を超えて超えており、ゲーミングだけではなく、オフィスユースでも問題なく使えるはずです。


グラフィック性能を測る3DMarkをみると、RTX5070 LaptopのROG Zephyrus G16にはわずかに及びませんが、大きな差はついていません。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークも同様に、ROG Zephyrus G16にはわずかに届きませんが、遜色がないスコアです。高品質/1920×1080/フルスクリーン設定でも「10832(とても快適)」なので、重いゲームでも問題なくプレイできそうです。


もう一つ、モンスターハンターワイルズベンチマークも試してみました。こちらは、フレーム生成オフ、レイトレーシングオフ、2560×1600ピクセル、グラフィック高という設定で「20262」。非常に快適にプレイできるとのことです。

フレーム生成をONにすると、平均87.59FPSまでアップしますが、スコア自体は「14941」に落ちました。

公称のバッテリー持ちが見つけられませんでしたが、PCMark 10のバッテリーベンチマークでは、「MODERN OFFICE」が4時間29分、「GAMING」で1時間21分でした。外出先で使う場合には、ACアダプターあるいはUSB PD 100Wに対応したモバイルバッテリーを持ち歩いたほうが良さそうです。

性能が高いということで気になる発熱ですが、ベンチマーク中にキーボード上部が50度近くになりました。背面に排気口があるので、そこが熱くなっています。直接触る部分ではありませんが、ディスプレイ裏などにも物を置かないようにしたほうが良さそうです。


ACアダプターも50度を超えるので、置き場所には注意したほうが良さそうです。

快適にゲームをプレイしたい人に
以前に紹介したROG Zephyrus G16(GA605KP)は、約44万円という価格だったので、快適なプレイ環境という意味ではデスクトップを購入したほうが良さそうという印象でした。
しかし、ASUS TUF Gaming A14(FA401KM)の価格は約34万円。デスクトップPCにしたほうがいいのか、ギリギリ悩ましいラインです。
ただ、1.46Kgと比較的軽量で、持ち運びも苦にならないサイズ感は、家の中の好きな場所や、出先でもゲームを楽しみたい、ノートPCとして活用したいという人には向いているかもしれません。
なお、ASUSのノートPCは、1年間はASUSの安心保証が利用可能(要登録)。自然故障の保証はもちろんこと、不注意でディスプレイを割ってしまった場合なども、部品代金の20%負担で修理可能です。
さらに、有料のASUSのあんしん保証プレミアムに加入すれば、3年間は自己負担0円で修理できます。
ゲーミングPCは発熱が大きい分壊れやすいという話も聞きます。高価な製品だけに、こうした保証サービスに入っておくことを強くお勧めします。