
8月28日に日本で発売されたNothingの初オーバーイヤー型ヘッドホン「Headphone (1)」。Ear (3)が発表されたばかりのタイミングですが、製品をお借りしたので軽く試してみました。

一目で分かるNothingらしさ
Headphone (1)は、オーバーイヤーヘッドホンでは珍しく四角い形状が特徴的。ベースはアルミニウム製ですが、中央部のシースルーデザインは一目でNothing製品だと分かります。

操作性も特徴的で、最近のイヤホンやヘッドホンでは一般的なタッチ操作ではなく、物理ボタンを採用しています。操作はすべて右側に集約されており、ローラーの回転でボリューム調整、押し込みで再生/停止、長押しでANCの切り替えが可能。パドルスイッチは曲のスキップや早送り/巻き戻しに対応します。

これらの操作は、アプリから一部は変更できますが、あまり自由度はありません。

ANCの効き具合はそこまで強力ではありません。「強」に設定しても、周囲の話し声が内容は分からないものの聞こえてくるという感じです。人によってはもっと強力な静寂性が欲しいと感じるかもしれませんが、個人的にはANC特有の圧迫感もなく、このくらいの方が好みです。
KEF共同開発による本格的な音質
英国の老舗オーディオブランドKEFとの共同開発ということで、カスタム40mmドライバーによるサウンドは低音から高音まで非常にバランスが良好です。
低音や高音が強いと埋もれがちな中音域も、デフォルトで非常にクリアに聞こえます。アプリからイコライザーのカスタマイズも可能なので、ジャンルを問わずポップスからクラシックまで幅広く対応できそうです。

BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDACをサポート。ハイレゾワイヤレス認証も取得しており、対応デバイスとの組み合わせで高音質再生が可能です。
総合評価とおすすめポイント
非常に完成度が高いヘッドホンだと思いますが、気になった点もあります。
Headphone (1)はイヤーパッドの交換ができません。39,800円という価格はヘッドホンとしては高価な部類ではありませんが、決して安価でもありません。気に入って長期間使いたくなる人も多いと思うので、「イヤーパッドの寿命=製品寿命」となってしまうのは少々もったいない気がします。

とはいえ、Headphone (1)はNothingらしいデザイン性と実用性を高いレベルで両立させた製品です。特にタッチ操作の煩わしさを感じていたユーザーにとっては大きな魅力となりそうです。
こんな人におすすめ
- デザイン性と音質を両立したい人
- 物理操作が好きな人
- Nothingの世界観に魅力を感じる人
- 在宅ワークでの音声通話品質を重視する人
音質、デザイン、操作性のバランスを重視するユーザーにとって、検討に値する選択肢だと思います。できれば、店頭で実際に触れて、その独特な操作感を体験してみることをおすすめします。