
先月のAmazonプライムセールで、ポータブル電源「EcoFlow DELTA 3」を購入しました。割引後の価格は5万6115円。現在も50%オフの6万9850円となっています。
ポータブル電源というと、「防災」はともかく、「アウトドア」「車中泊」とセットで語られることが多い印象があります。そのため、「車中泊もしないし、アウトドアにも興味がないから関係ない」と思っている人もいるかもしれません。
メーカー側もその文脈でアピールしているので仕方がない部分もありますが、それだけではもったいないと感じます。そこで今回は、私自身の使い方を交えながら、車中泊やアウトドアとは関係のないポータブル電源の活用法を紹介したいと思います。
UPSの代わりとして
まず、私がポータブル電源を購入した最大の理由は、UPS(無停電電源装置)の代わりとして使いたかったからです。
これまで鉛バッテリータイプのUPSを利用していましたが、UPSのバッテリーは長寿命製品でも4~5年サイクルで交換が必要になります。現在使っているUPSのバッテリーを交換したのが5年ほど前で、最近2週間に1回のセルフチェックでエラーが出るようになってしまいました。そこで、「UPSを買い替えるくらいならポータブル電源にしよう」と考えたのがきっかけです。

昔のポータブル電源は、停電時にバッテリーへ切り替わるのに時間がかかり、UPSとして使うのは難しかったのですが、最近は10ms~30msで切り替えが可能になっており、UPS動作をうたう製品も増えています。
サーバーなどミッションクリティカルな用途には向きませんが、家庭用であれば十分な切り替え時間です。
EcoFlowに決めた理由
ポータブル電源を選ぶ際、EcoFlowのほかに、JackeryとYOSHINOも検討しました。価格的にはどれも近かったのですが、最終的にはバッテリー切り替え時間が10msと一番短かったのが決め手となり、EcoFlow DELTA 3を選びました。

なお、購入後に実際にブレーカーを落として停電状態にしてみましたが、デスクトップPCは問題なく動作していました。
ブレーカー落ち防止のバッファとして
ポータブル電源はUPS代わりだけでなく、ブレーカーを落とさないためのバッファとしても活用できる可能性があります。
電子レンジと炊飯器、洗濯機などを同時に使うとブレーカーが落ちてしまう、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
一般的に、1つの電源回路で使えるのは最大2000W(20A)までです。1部屋に回路系統が複数あればいいのですが、1部屋1系統という場合が多い気がします。

このため、1回路しかないキッチンで消費電力の大きい家電製品を同時に使うと、簡単に上限を超えてしまいます。
たとえば、オーブンレンジ(1000W)と炊飯器(1000W)を一緒に使う場合、実際にはこれ以外にも冷蔵庫や照明がつながっており、1つの回路で使える上限を超えるので、ブレーカー(分岐ブレーカー)が落ちてしまいます。
こういう場合、2000W以上出力できるポータブル電源にオーブンレンジと炊飯器をつなげておけば、ブレーカーを落とさずに済みます。
スマートプラグの利用など、一工夫が必要
ただし、ポータブル電源を壁コンセントにつなげておくと、バッテリーを経由せず(バイパスして)、壁コンセントからそのまま給電されてしまうため、実質的には「延長コード」と変わりません。
EcoFlowの場合は設定で「グリッドバイパス出力の無効化」をオンにすることで、壁コンセントからではなくバッテリーから給電するようにできます。ただし、この状態ではバッテリーへの充電が行われないため、長時間使うといずれバッテリーが枯渇してしまいます。
理想を言えば、バッテリー残量が減ったら自動でAC接続をオンして充電し、満充電になったらまたオフに戻す――といった制御ができると便利なのですが、現時点ではそのような自動化はできません(少なくともEcoFlow DELTA 3では)。
ネットで調べると、これに対応するためにスマートプラグを使っている人が多いようです。
例えば、「壁コンセント – スマートプラグ - ポータブル電源」とつなげておき、
- 日中はスマートプラグでACをオフにしてバッテリー駆動
- 夜間はACをオンにして充電(安価な夜間電力で充電できる)
といった使い方が可能になります。

PCのように常時給電が必要な機器ではバッテリーが持たないかもしれませんが、電子レンジや炊飯器など、短時間しか使わない家電であればこの方法でも十分実用的です。
まとめ
ポータブル電源というと「キャンプ」や「防災」用途のイメージが強いですが、家庭でUPSの代わりに使う、あるいはブレーカー落ちを防ぐ補助電源として使うといった方法もあります。
EcoFlowは最近新製品を相次いでリリースしていますが、1~2年前の安価になった製品でも十分実用的です。非常時の備えとしてだけでなく、日常の電力環境を少しスマートにするツールとしても、ポータブル電源はおすすめです。



