【レビュー】TENKU Note Pro:950gにCore i3と32GB RAMを詰め込んだ10.5インチノートPCの実力

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天空が2024年12月に発売した10.5インチの小型ノートPC「TENKU Note Pro」。前モデルのTENKU Mobile S10/S10+からCPUとRAMが大幅に強化され、モバイルワークの実用性が格段に向上した意欲作です。約950gの軽量ボディに、Core i3-1315UとRAM 32GBという組み合わせは、この価格帯では貴重な存在と言えます。

昨年末に購入し、しばらく使い込んでみたので、その実力をレポートしたいと思います。

わずかに大きくなったTENKU Note Pro

TENKUの小型PCシリーズは、これまでCHUWIのMinibook Xの天空版とも言えるTENKU Mobile S10/S10+がありました。これらはCPUにIntel N100/N150を搭載していましたが、今回のTENKU Note Proは第13世代のCore i3-1315Uへと大きくスペックアップ。さらにRAMも32GB(LPDDR5)を搭載しており、このクラスとしては非常に余裕のある仕様となりました。

外観は従来のTENKU Mobile S10/S10+と大きくは変わりませんが、ディスプレイの解像度が従来の1920×1200ピクセルから、アスペクト比3:2の1920×1280ピクセルに変更されています。これに伴い、筐体サイズも縦にわずかに大きくなりました。

サイズは約243×177.6×17.8mmで、重さは約950g。サイズの割に重量はあります。

▲TENKU Mobile S10(左)とTENKU Note Pro(右)
▲CHUWI MiniBook X(左)とTENKU Note Pro(右)
▲iPhone 17 Proと比較
▲13インチ Macbookと比較

ディスプレイを背面に回してタブレットスタイルでも利用可能な2-in-1タイプです。

▲テントスタイル

ただ、以前にN100搭載のCHUWEIオリジナルモデル(MiniBook X)を使っていた際もそうでしたが、正直なところタブレットスタイルで使う機会はほとんどありませんでした。Windowsタブレットの使いにくさに加え、キーボードが背面にむき出しになる点がどうしても気になってしまいます。動画視聴時にテントモードで置ける、くらいのメリットと捉えておくのが良いかもしれません。

インターフェースはUSB-Cが2基

インターフェース類はシンプルで、向かって右側にフル機能のUSB 3.1 Type-Cが2ポート。左側に3.5mmオーディオジャックを配置しています。USB-Cポートは充電とデータ転送、映像出力に対応しており、必要に応じてドックやハブで拡張する運用が前提となります。ミニマルな構成ですが、モバイル用途では十分実用的です。

▲向かって右側面。右端のUSB-Cに充電のマークがありますが、どちらでも充電は可能です
▲左側面には3.5mmオーディオジャックを搭載

ディスプレイ上部に200万画素のフロントカメラを搭載していますが、残念ながらWindows Hello(顔認証)には非対応。指紋センサーも非搭載のため、起動のたびにPINの入力が必要なのは、モバイル用途としては少々面倒に感じます。

キーボードはタッチタイピングも可能なギリギリのサイズ

キーボードのサイズは従来から変わっておらず、主要キーのキーピッチは17.8mmを確保。個人的にはUS配列が欲しかったところですが、残念ながらJIS配列しか用意されていません。

▲JIS配列のキーボードですが、刻印が違うだけで形状自体はUS配列です

打鍵感はいわゆる「ぺちぺち」とした薄型特有の感触で、決して打ちやすいとは言えませんが、タイピング自体は問題なく行えます。タッチタイピングもギリギリこなせるサイズ感に収まっています。

なお、キーボードサイズは据え置きですが、タッチパッドが大型化しており、操作感は向上しています。

▲CHUWI Minibook X(右)と比べると、キーボードのサイズは変わっていませんが、タッチパッドが大型化しているのがわかります

バッテリー持ち

搭載バッテリーは3800mAh。PD65W互換のACアダプタが付属していますが、市販の汎用的なPD充電器でも問題なく充電可能です。

バッテリー持ちは、公称で約8時間。使用方法などにより大きく異なると思いますが、PCMark10のバッテリーベンチマーク(MODERN OFFICE)では、「5時間55分」となりました。外出先でネットに繋げつつ、ブラウザやWordを使った体感としても、おおよそ5時間程度といったところです。

▲PCMark 10のバッテリーベンチマークの結果

外出先でがっつり作業する予定があるのなら、PD給電が可能なモバイルバッテリーを持っていると安心できそうです。

ベンチマークで性能をチェック

ここからは各種ベンチマークの結果を見ていきます。

まず、CPU性能を測る「CINEBENCH R23」ですが、マルチコアが「3847pts」、シングルコアは「1380pts」。マルチコアが伸び悩んでいますが、シングルコアは意外と高めです。

▲CINEBENCH R23の結果

続いて、PCの総合的な能力を測る「PCMark 10」ですが、トータルスコアは「4721」となりました。内訳を見ると、ブラウザ利用やアプリの立ち上がりなど日常的な作業のスコアである「Essentials」は「8843」、オフィス作業の「Productivity」は「6772」とそこそこ高いスコアになっています。写真や動画編集を伴う「Digital Content Creation」は「4770」と少し低め。簡単な写真の加工程度ならなんとかこなせそうですが、動画編集などは厳しそうです。

▲PCMark 10のベンチマーク結果。EssentialsとProductivityのスコアは実用十分

グラフィック能力に関しては、「3DMark」の結果は下記の通り。比較としてCore i7-1355UのZenbook S 13 OLEDと、Core i5-13500HのVivobook S 15 OLEDのスコアも並べています。

▲3DMarkの結果

ベンチマークとしては負荷が高めな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」の結果は、軽量品質で解像度1280×720のフルスクリーン設定でも「2255(重い)」となりました。予想通りではありますが、3Dゲーム用途としてはかなり厳しいものがありそうです。

▲FINAL FANTASY XV ベンチマークの結果(軽量品質/1280×720)

ストレージが遅い?

ベンチマーク結果はそこそこ良好でしたが、実際に使っているとアプリの起動に妙に時間がかかったりすることがあります。

搭載しているSSDは、Rayson製の「RS512GSSD510」。メーカーサイトにも情報がなく詳細不明ですが、ネットで調べるとCHUWI製品でよく採用されているSSDのようです。

▲裏蓋を開けるとすぐにSSDにアクセスできます

CrystalDiskMarkの結果は下記の通り。最近のNVMe SSDとしては、シーケンシャルリードが2551MB/s、ライトが1867MB/sと、決して速い部類ではありません。同じSSDを搭載した製品の結果をみると、シーケンシャルリードは3000MB/s超、シーケンシャルライトライトも3000MB/s近く出ており、それと比べると見劣りします。

▲CrystalDiskMarkの結果
▲CrystalDiskInfo

裏蓋を開ければすぐにSSDにアクセスできる設計なので、気になるユーザーは市販のM.2 SSDに換装することも検討できます。現状、ブラウジングやドキュメント作業が中心なら大きな支障はありませんが、より快適さを求めるなら改善の余地がある部分です。

まとめ

TENKU Note Proは、10.5インチというコンパクトな筐体にCore i3-1315Uと32GBの大容量RAMを詰め込んだ、非常に尖った一台です。

Intel N100/N150搭載機では少し物足りなかった処理性能が底上げされており、特にメモリを多く消費するブラウザでのマルチタスクや、Officeソフトの並行作業などが快適に行えるのは大きな魅力です。

カフェでブログを書く、取材先でメモを取る、移動中にメールをチェックする——そういう日常的なモバイルワークにおいて、TENKU Note Proは過不足なく機能します。重いゲームや動画編集をするつもりがないなら、このサイズ感と性能のバランスは十分に魅力的です。

もちろん、ストレージ性能やバッテリー持ち、生体認証の非搭載など、気になる点はいくつかあります。しかし、「約950gで持ち運べるCore i3 + 32GB RAMマシン」という明確な強みを持った製品として、TENKU Note Proは十分に存在意義のある一台だと思います。

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