次世代のnanoSIMに関してAppleとRIM/Motorola/Nokiaの3社連合が対立しているというを以前書きました。その時には3月末に投票でどちらの案を採用するか決定するということでしたが、このままどちらかを採択してももう一方がそのまま実装して事実上2つの規格が世に出る可能性が高く、これはモバイルメーカーにとってはとても受け入れられるものではないとして投票を見送っていたようです。そして、「業界の幅広い同意」が得られるまでは標準決定の投票は行わないという判断を欧州電気通信標準化機構(ETSI)は示しました。
これは外部から見れば妥当な判断だと思いますが、両者にとってはありがたい判断ではなかったはずです。特にAppleについてはiPhone5でnanoSIMを採用すると考えられており、iPhone5は年内に発売されると予想されています(6月発表という説もあった気が……)。これが事実なら設計はほぼ完了しているはずでいまさらnanoSIM仕様の大幅変更は受け入れられないところでしょう。ただし、Appleには我道を貫き通すだけの市場シェア、企業体力があり事実上デファクトスタンダード化できる可能性は高いです。
このためかどうかは定かではありませんが、先日、RIM/motoroka/Nokiaの3社連合がApple案に大幅譲渡する形の修正案を公開しました。約80%がApple案を採用し、残り20%は独自実装とのことです。
歩み寄らずにとことんやりあって欲しかった(意地を見せて欲しかった)という思いはなくもないのですが、市場の支配力を考えると仕方がなかったのかもしれませんね。ところで、このnanoSIM構想にSamsungが絡んでこなかったのはなんでだろう?もしSamsungが登場していればまた違った展開になっていたと思うのですが。Appleにもその他メーカにも部品供給している手前、どちらの側にも立てなかったということなのでしょうか?
(via CNET Japan)
(source The Verge)