今日から9月。今年も残り4ヶ月ですよ……。
そんなわけで8月読んだ本のまとめです。8月は9冊。夏休みがあった割には読めた方ではないでしょうか。
早川書房 ( 1965 )
「無限記憶」「連環宇宙」は先月読んだ「時間封鎖」の続き。「時間封鎖」を読んでいなくてもなんとなくわかりますが、先に読んでおくことをお勧めします。「時間封鎖」がその中で数十億年とか平気で経過する壮大な話であったのに対し、続く2冊はもう少しこじんまりとまとまった感じを受けました。人によっては物足りなく感じるかも。
「順列都市」「ディアスポラ」のグレッグ・イーガンは相変わらず難しいですね。科学的な話が随所に出てくるので理解するのに時間がかかります。「ディアスポラ」のほうは、正直半分くらいは理解できませんでしたけど。塵理論とか調べてみるとちょっとおもしろいです。
そして今月はなんといっても「屍者の帝国」でしょう。若くしてなくなった伊藤計劃の未完の長編を同時期にデビューし親交のあった円城塔が引き継いで完成させた共著です。未完といっても存在していたのはプロローグ部分とプロットだけだったとのことで、ほとんどの部分は円城氏のオリジナルです。正直、私自身が円塔氏の文章(言葉遊びというか文章で遊ぶというかそういう感じ。それに対して伊藤氏の文章は写実的な印象)が苦手なのでところどころ読みづらく感じたりもしましたが、物語は魅力的で面白いのは間違い無いです。フランケンシュタインやヴァン・ヘルシング、カラマーゾフの兄弟にマイクロフト・ホームズ(シャーロック・ホームズの兄)などダーウィンやらエジソンやらその時代にいた実在、非実在の人物が入り乱れて登場するのも面白いです。プロローグにヴァン・ヘルシングが登場していることから、これは伊藤計劃のアイデアだったようですね。
9月はあいかわらずSF小説メインで読むつもりですが、少し日本人作家のものを読もうかと思っています。