Samsungが60GHz帯を使用する次世代WiFi技術の開発に成功したと発表しています。
従来のWiFi規格、802.11acの転送速度は866Mbps(毎秒108MB)でしたが、あたらしい60GHzの転送速度は5倍以上の4.6Gbps(毎秒575MB)となるそうです。たとえば1GBの動画なら3秒で転送できる計算になります。
ここまでを見るとSamsungが60GHz帯のWiFi通信という新しい技術を確立したかのようなイメージなのですが、実はそういう話ではありません。
60GHz帯を使ったWiFi通信はすでに802.11adとして2013年1月に承認、規格化されています。この60GHzのWiFiはおなじみのWiFi Allianceとは別の団体、Wireless Gigabit Allianceというところが認定や標準化を行っていたのですが、この団体は2013年にWiFi Allianceに吸収されました。
この802.11ad、規格上は最大7Gbpsで通信が可能なのですが、通信可能距離が10mと非常に短いのが難点です。電波は周波数が高くなるほど距離による減衰が大きくなり、また直進性が強く、障害物に遮られて届きにくくなるという性質があります。
今回のSamsungの発表は、この部分を解決するビームフォーミングアンテナを開発したというのがメインで、これにより60GHz通信の商業利用が実現できるかもという話です。
早ければ来年中に実用化したいということなのですが、一般に普及するのは当分先かなぁ。Galaxyシリーズに搭載されたりしたら一気に普及が進むのかもしれないけど。
(via PhoneArena)
(source Samsung)