ダメな議論を読み終わりました。約4時間。薄い本の割に文字がびっしりと並んでいるため、結構時間がかかりました。
論理思考、ロジカルシンキングといった本をそこそこ見かけますが、本書は世間で言われている常識やもっともらしい議論に惑わされないように論理思考でいきましょうという内容です。
人は自分に直接的なリスクが発生しない場合には、自分が日頃からなんとなく思っていることに近い説(「気持ちのいい説」)を支持する傾向があり、その内容までは精査されることがない。そして、その説が例え間違っていたとしてもそれを支持する人が大多数を占めれば、それが常識になってしまう。いったん常識化してしまったものを覆すのは相当に労力を要するので、はじめから惑わされないことが大事。ということです。
具体的にはダメな議論とはどのようなものかという説明をした上で、ダメな議論を見破るための5つのチェックポイントを挙げ、具体例をもとにどこがダメなのかというのを指摘しています。著者が経済学者ということもあって、経済よりな事例が多めで素人には若干とっつきにくい感じがします。テレビや雑誌、ネットなどのなどから正しい情報を見極め、無意味に踊らされないようにする術を知るという意味では読む価値のある本だと思います。