Samsungが米テキサスで開催されているSXSW 2016でVRゴーグルと組み合わせて使うヘッドセット Etrim 4Dを披露しました。耳に電気刺激を送ることで平衡感覚を操作し、VRの動きも再現できるもののようです。これは、Samsung社内のイノベーションプログラム 「Creative Lab」(C-Lab)で生まれたプロジェクトです。
三半規管に作用?
このEntrim 4D、見かけは普通のヘッドセットですが、VR映像に合わせた電気刺激を耳の神経に送ることで、平衡感覚を司る三半規管に作用し、実際に自分が動いているように感じられるそうです。
これが実現できると、実際にシートを動かしたりすることなく映画やゲームの動きに合わせた感覚を体験することが出来るようになります。なんだかすごいですね。
VR酔いの軽減も期待
VRを見続けていると、乗り物酔いのような状態になることがあります。いわゆるVR酔いですが、この原因は完全に解明されれているわけではないようですが、その一因として、視覚と感覚のずれが挙げられています。つまり、視覚的には動いているのに平衡感覚的には動いておらず、脳が混乱するというもの。
このEntrim 4Dでは、単に動きを体験できるというだけではなく、視覚と感覚を一致させることでVR酔いの低減も期待できるそうです。
回転感覚の体験も
発表されたEntrim 4Dでは実現できていませんが、回転する感覚を再現するため、追加の電極を使用するバージョンにも取り組んでいるそうです。そのうち自宅でジェットコースター体験とかが当たり前になるのでしょうか。それはそれで寂しい気もするなぁ。
製品化はいつ?
市販等々の話は出ていませんが、電気刺激で平衡感覚を操作するとなるとそれなりに検証やら認証やらが必要になりそうだし、製品化はまだまだ先という感じでしょうかね。なお、現時点でも専門家と一緒に1,500人ほどで30種類の動作パターンを検証しているそうです。
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(source Samsung)