Googleの中の人 Benson Leungさんが積極的にレビューを行い、仕様に準拠していない危険なケーブルがあることを訴えていたUSB Tyep Cなケーブルですが、米Amazonが出品規約を変更し、標準仕様ではないケーブルの出品を禁止としました。
仕様に準拠しないケーブル
USB-Cケーブルはまだ仕様が決まってから間もなく、そして従来のmicroUSBなどとの互換の問題もあり、標準仕様に準拠しておらずとりあえずプラグだけUSB-Cになってますというケーブルも多くあります。それらのケーブルを急速充電に対応したUSB-Cの端末で利用すると給電側や端末に障害が発生する危険があるということで、Bensonさんが自らレビューを行い警告を発していました。
その過程では粗悪なケーブルにより、忠告していた通りに自らのChromebookが壊れるということもありました。
粗悪なUSB-CケーブルによりChromebook PixelのUSBポートが破損
また、OnePlusも自社のケーブルとアダプタが仕様に準拠していなかったということで返金対応を行っています。
OnePlus、自社のUSB-Cケーブル、アダプタが規格に準拠してないことを認め、払い戻しを開始
米Amazonで出品を禁止
Bensonさんのある意味草の根的な活動を受けてかどうかはわかりませんが、米Amazonが出品を禁止するリストの最後に、「Any USB-C™ (or USB Type-C™) cable or adapter product that is not compliant with standard specifications issued by “USB Implementers Forum Inc.”」という一文を追加しました。
つまり、「USB Implementers Forumが発行する標準仕様に準拠しないUSB-Cケーブルやアダプタ」の出品禁止です。これを受けて、Bensonさんに仕様に準拠していないとされていたケーブルやアダプタは軒並みAmazonから姿を消しています。
USB-CでもUSB 2.0なケーブルはある
そんなAmazonを覗いてみると、幾つかUSB-CだけどUSB 2.0仕様というケーブルもあります。「USB-Cは3.1(3.0)のはずだからこれらのケーブルは仕様に準拠していないのでは?」っと思ってしまうかもしれませんが、実はUSB-CはUSB 2.0もUSB 3.1(2.0)も対応しているため、USB 2.0なUSB-Cケーブルがあっても不思議ではありません。私も数か月前まで知らなかったのですけどね。
抵抗値が仕様と異なる
問題となっているのは、流れる電流を決める抵抗値です。USB-Cでは最大3Aの電流を流すことができますが、急速充電に非対応だったり、USB 2.0の仕様で使う場合には内部抵抗を変更して最大でも1.5Aまでしか流れないようにする必要があります。にも拘わらず、そのまま3A仕様の抵抗値になっているものがあり、これを「急速充電非対応の電源アダプタ+急速充電に対応した端末」という組み合わせで使うと電源アダプタや端末側のUSBポートが破損する危険があるということです。
日本のAmazonでは特に制限なし
ところで日本のAmazonではどうなっているのかと調べてみたら、特に制限は掛かっていないようです。一応禁止商品のリストはあるのですが、USB関連については載っていませんでした。いずれ米Amazonを追従するのでしょうか?
参考
- USB.org 「Universal Serial Bus Revision 3.1 Specification」をダウンロードし、その中の「USB Type-C Specification Release 1.2 – Redline from 1.1」に詳しい記載があります。
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AndMem -「USB Type-C」問題と安全に使える製品のまとめ USB-Cの問題についてわかりやすくまとめられています。