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Amazon日本参入のニュースはAmazon側の情報操作?日本の主要出版社は契約しないだろうという話

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先日、Amazonが電子書籍で日本参入というニュースが話題になりました(うちのブログでも書きました)が、それについてAmazonから出版社側に提示されたという契約内容について、BLOGOSが書いていました。

 ネット通販大手の米国のアマゾン・ドット・コム社(以下、アマゾン)からS出版に送られてきた封筒。そこに入っていた契約書案を見て、男性は愕然としたという。彼の話によると、アマゾンは年内にも日本で電子書籍事業に参入する予定。国内の出版社130社に対して共通の書面で契約を迫っているそうだ。しかし、その契約書は「アマゾンは出版社の同意なく全書籍を電子化できる」「売上の55%はアマゾンに渡る」「価格は書籍版より必ず低くせよ」など、出版社側に不利な内容だった。アマゾンは「10月31日までに返答せよ」と要求している。

「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る

この内容を鵜呑みにするなら、Amazonはかなり強気に契約を行おうとしているようです。ただし、国内の主要な出版社は契約しないだろうとのこと。日経新聞が報じたニュース自体、Amazon側のリークだろうとしています。

全体を通じて「55%もAmazonに持っていかれるなんて冗談じゃない!」という論調ですが、55%という数字はそんなに論外ではないような……。

国内での出版の場合、大手出版社では出版社側の取り分が6割、印刷コスト、取次ぎ業者がそれぞれ1割、書店が2割という配分が一般的なようです。出版社側コストには、著者へ支払う印税や印刷した本を保管する費用、宣伝費などが含まれています。

例えば、1冊1,000円の書籍を考えると、出版社の取り分は600円(残りは100円が取り次ぎ業者、印刷コストで書店が200円)となります。この600円には著作者への印税が含まれるので、10%の印税なら100円が600円から引かれて、残り500円。ここから在庫費用、宣伝費、編集コストなどが引かれたものが出版社の利益となるわけです。

この状況で55%もAmazonに持っていかれたらやっていけないというのが出版社側の主張ですが、在庫するコストがなく、取り次ぎ業者、書店の役割もAmazonがこなす事を考えれば、55%というのは論外どころか、かなり妥当な線ではないかとも思えてきます(こう考えると、現在の各出版社が独自に電子書籍を流通させている状況というのは、出版社にとってみればかなりおいしい状況ですよね。取り次ぎ、書店コストも含めてすべて自分の取り分となるのですから。そりゃ、各社勝手にストアを立ち上げますよね)。
       
取り分の話だけでなく、著作権の管理方法などの問題もあるのですが、今回の件から見えてくるのは、「現在の構造を変えたくない」という出版社側の甘えだけのような気がします。

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