米Amazonは5月7日(現地時間)、EchoデバイスやRingデバイスなどをホットスポットとして利用し、近隣に低帯域幅のネットワークを構築するSidewalkを、6月8日から米国のEchoデバイスでデフォルトでONにすると発表しました。
庭先や家の前のポストなど、IoT機器を使いたいものの、自宅のWiFiが微妙に届かないということはよくあること。日本の狭い住宅ならともかく、海外の広い敷地ではなおさらです。Sidewalkは、そういった不便を解消するべく考えられたIoT機器向けの近接無線ネットワーク技術。
あちこちにあるEchoデバイスやセキュリティカメラのRingデバイスなどをハブとして、BluetoothやWiFiに加えて新たに900MHz帯の無線を利用することで、広く薄く町中どこでもネットワークを利用可能にしようというもの。
インターネット接続は、ハブとして機能するEchoなど各デバイスの所有者が負担することになりますが、最大帯域は80Kbpsであり、月間データ使用量も500MBに制限されるので、大きな負担にはならないとしています。
また、紛失防止タグのTileも、このSidewalk対応をうたっています。これまでTileを紛失して探す場合、他のTileユーザーが近くに来た時にその場所を通知することしかできませんでした。しかし、Sidewalkで通信できる環境であれば、所有者から遠く離れていたとしても、自前で位置情報を送信できます。
また、認知症の人とその介護者を支援するCareBandと協力し、Sidewalkを利用して認知症の人の徘徊などをトラッキングしたり、行動パターンの分析などを行うパイロットプログラムも開始するとのこと。町中どこでもネットワークに接続できるのであれば、かなり有効な取り組みになりそうです。
米国ではEchoでSidewalkがデフォルトONになりますが、もちろんオプトアウトも可能です。なお、Sidewalk上を流れるデータは3層の暗号化が施され、24時間ごとにデータが削除されるとしています。
ネットワークが絡むだけに、米国外での展開はすぐにはいかないと思いますが、町中どこでもIoT機器が使えるという環境はスマート化には理想的とも思えます。なんとか日本でも利用可能になってほしいところです。
Source: Amazon