昨晩発表されたAppleの新スマートウォッチ Apple Watch Series 4。背面とデジタルクラウンに電極を備え、心電図の作成ができるほか、不整脈などを検知できるのが大きなウリとなっていますが、残念ながらこの機能、日本では利用できないようです。
医療機器としての取り扱いに関する問題があるようですが、日本の場合、該当するのは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)。
Appleが下記のようなことをうたわず、あくまでも日常的な健康管理アプリだというスタンスをとるなら、医療機器ではなく健康管理用プログラムに分類され、薬機法の対象外になるかもしれません(薬機法では機器だけではなく、プログラムなどのソフトウェアも医療機器の対象になっています)。
ユーザーはDigital Crownに触れ、30秒後に心調律の分類を受け取ることができます。心臓が正常なパターンで鼓動しているか、あるいは重大な合併症につながる可能性のある心房細動 (AFib) の兆候があるかを分類することができます。すべての記録、それらに関連する分類、そして記録されたすべての症状はPDFでヘルスケアアプリケーションに保存され、医師と共有することができます。
ちなみに上記の資料では、医療機器の対象外になる例として、下記のようなものが挙げられています。
- 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(体動等)を検知し、生活環境の改善を目的として家電機器などを制御するプログラム
- 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(歩数等)を検知し、健康増進や体力向上を目的として生活改善メニューの提示や実施状況に応じたアドバイスを行うプログラム
スマートウォッチやフィットネストラッカによる心拍測定も上記の例に当てはまるのでしょう。
ただ、重要な医療データであるというスタンスを捨ててしまうのは、Appleとしては容認できないことなのかもしれません。それだったら、機能自体を提供しないほうがマシとの判断があった可能性もあります。
なんにしろ、ハードウェア的な機能自体は乗っており、アプリケーションの取り扱いの問題のみなので、いずれ日本でも利用できる可能性は残されています。
というか、使ってみたいですね、スマートウォッチでの心電図作成。米Appleアカウントでダウンロードすれば使えたりするのだろうか……。