iPhone3G wiki Blogさんの「docomoからiPhoneが出ない理由」という記事のコメントに下記のようなものがありました。
iPhoneが対応しているのは、バンドV(850MHz帯)であって、バンドVI(800MHz帯)ではないのでは…?
対応周波数の問題は、ドコモがiPhoneを出したくても出せない理由の一つだとは思います。
ドコモにとって、FOMAプラスエリア(バンドVI/800MHz帯)への対応は、今となっては必須事項です。HTC Magic(HT-03A)はおろか、あのBlackBerry Boldでさえ、ドコモ向け端末のみバンドVIに対応させているくらいですから。NOKIAについても、たしかNM705iやNM706iは、ベースとなった6120をバンドVI対応に改修させていたはずです。
当Blogを見に来てくれる方や海外端末に手を出しているような方には今さらな話ですが、国内端末だけを使っている方には、この携帯の周波数の問題というのはほとんど気にしたことがないと思います。
以下、かなりざっくりとした説明です。
docomoが使用している周波数は主に2GHz帯と800MHz帯(FOMAプラスエリア)の2つ(一部で1.7GHz帯も使われているみたいですが)。Softbankは2GHz帯のみです。一方でiPhoneを含む海外端末がサポートするのは2100MHz、1900MHz、850MHzが主なところ。この2100MHz帯が日本の2GHz帯とほぼ同じため、2100MHzをサポートしている海外端末が日本でも使用できるわけです。ちなみに海外端末で使用されている850MHz帯は日本では防災無線に割り当てられているため、携帯電話では使用できません。
iPhoneは仕様上、2100MHz/1900MHz/850MHzをサポートしているため、docomoでも問題なく使用できるように見えます。実際、海外のSIMフリー端末にdocomoのSIMを差して使用している方もいると思います。が、ここで問題となるのがFOMAプラスエリアです。
docomoは地方や山間部など2GHz帯の電波が届きにくい場所では、800MHz帯でサービスを展開しています(800MHz帯は2GHz帯よりも障害物に強いため、山間部では有利)。これがFOMAプラスエリアですが、この800MHz帯というのはiPhoneを含む海外端末ではサポートされていません。このため、iPhoneをdocomoから発売した場合、地方や山間部ではiPhoneが使用できないという状況になります。これだと、「普通の携帯は使えるのにiPhoneだと使えない」というクレームになることが容易に予想されるため、docomoがAppleに800MHz帯のサポートを要請→Appleが却下してパートナーをsoftbankにしたのではないかというのが上記の引用元の記事の話です。
もっともdocomoの場合だと他にもMMSに対応できない(まぁ、MMSに対応しているのはsoftbankだけですが)とか、i-modeどうするんだとかの話もあるので、周波数以外の問題も積み重なって交渉決裂ということになったんだと思います。
このdocomoのFOMAプラスエリア、今後も海外端末から端末を調達する上で問題になってきそうですね(個人輸入だけでなく、海外メーカが参入する上でも。何しろ、日本専用にハードを改修しないといけないのですから。それともソフト(ファーム)だけでどうにかなるのかな?)。もっともauみたいに完全独自仕様よりも問題は少ないとも言えますが・・・。
追記:
Twitterで教えてもらいましたが、北米で使用されている850MHz帯を日本の800MHz帯に対応させるのは、ファームの改修でOKとのことです。