ただただ驚いた、というのが正直な感想ですが、GoogleがMotoことモトローラ・モビリティを買収するとのことです。総額125億ドル。現在の為替で9600億円になります。
えらいことです。Google が Moto ことモトローラ・モビリティを買収します。モトローラ・モビリティは今年はじめ旧モトローラが二分割されて出来た、モバイル部門のほう。スマートフォンを作っているモトローラです(もうひとつは業務機器やネットワーク機器などを担うモトローラ・ソリューションズ)。買収計画は両社間ですでに合意に達しており、買収額は12日付け終値に63%ものプレミアムを上乗せした、1株あたり40ドル。総額で125億ドル。1ドル80円でちょうど1兆円。これまで数々の買収劇を演じてきた Google ですが、今回は YouTube や Double Click、AdMob といった過去の事例も霞むほどの超大型案件です。
日本でも一時期はモトローラ製の端末が出ていたので知っている人もいると思いますが、日本国内での認知度はそれほど高くないというのが実情ではないでしょうか。最近ではauで出たAndroidタブレット XOOMがモトローラ製です。
日本ではこんな状況ですが、世界に目を向ければAndroidブームの火付け役ともいえるDroidシリーズをはじめ、先述のXOOMなどを出しており、それなりの存在感を示しているメーカです。
モトローラの買収によって、Googleはソフトだけでなくハードも自社製造が可能となります。これまでAndroidのリファレンス機となるNexusシリーズは、Nexus OneがHTC、Nexus SがSamsung製でした(Nexusの名は冠していませんが、モトローラのXOOMはHONYCOMBのリファレンス機です)が、今後は自社で出すことも可能になったわけです。ただし、次期Nexusは再度Samusungが担当するらしいという噂もでていますし、モトローラの買収自体、製造能力目当てというより、特許の取得という側面が強いというか、それが目的のようです。
TechCrunchの記事によると、今回の買収によって、『Googleは17,000にも及ぶ特許および7,000の出願中特許をその手におさめることとなる。』とのこと。これまで特許関係ではAppleやマイクロソフトなどに遅れをとっていただけに、この数字は大きいと思います。Google+では、Google CEO ラリー・ペイジ氏がHTC、Samsung、Sony Ericsson、LGといったAndroid端末を製造・販売している主要メーカのコメントを載せていますが、一様に今回の買収を歓迎しているようです。これは特許関連で係争に巻き込まれる可能性が下がったことに対する歓迎ですね。
しかし、Googleはますます巨大化していきますね。検索エンジンを中心にしながらも、ChromeOSでOSをつくり、GoogleBooksで電子出版に参入、Google MusicでiTuneに対抗し、Marketではビデオレンタルも始まっています。次に手を出すのはなんでしょうかね?やっぱりApple Storeのようなリアル店舗の展開でしょうか。