もともとDIYは好きで、自宅でウッドデッキを作ったり、ちょっとした棚や机なども自作しています。その際に使うのが電動工具。丸ノコやサンダー、トリマーなど一通り揃えてはいるものの、作業場所までコンセントを延長するのが面倒です。
このため、使えば楽なのはわかっているのに、2×4材の切断などは手持ちののこぎりを使ったりすることが多いです。結果として時間がかかったり、仕上がりが微妙だったりもするのですが。
そんな、私のような面倒くさがりなDIYerにもピッタリなコードレス工具をリリースする新ブランド「HiKOKI」を工機ホールディングスが発表。新製品のお披露目とタッチアンドトライを行うイベント「HiKOKI Grean Day」が開催されました。
日立から独立した工機ホールディングス
工機ホールディングスはもともと日立工機の社名で日立グループに所属していましたが、2017年3月に米投資会社のKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)が投資しグループを離脱。今年6月に社名を工機ホールディングスに改名しました。そして、10月からブランド名をHiKOKIに変更します。
そのHiKOKIでは、ブランドプロミス(顧客に対するブランドの約束事項、ブランド理念)として、「パワーツール(電動・エア工具)領域で、進化する極上のユーザー体験を創造します」を掲げます。
このブランドプロミスを広く浸透させるため、一言で言い換えたタグラインとして「UNLEASH the NEXT(解き放つ、その先へ。)」も公開しました。
従来の日立工機という社名、そして同社製品に使用していた「HITACHI」「Hitachi Koki」のブランド名よりもずい分と柔らかいというか、あか抜けた雰囲気になった気がします。
その雰囲気は下記のような動画にもあらわれています。
HiKOKI マルチボルトシリーズ
そんなHiKOKIの新製品がコードレス工具マルチボルトシリーズです。
工機ホールディングス(日立工機)には以前からコードレス工具がありましたが、バッテリーは18V。AC接続の工具と比べると、パワー不足感は否めませんでした。
これに対して、マルチボルトシリーズは、18V製品とほぼ同じサイズと重さながら、36Vのリチウムイオンバッテリーを搭載。AC接続の製品とそん色ないパワーを発揮するとしています。
ちなみにバッテリーの代わりに専用のアタッチメントを装着すると、AC接続でも利用が可能になっています。
例えば、従来のコードレス製品では、ドリルでのハイスピードモードや丸ノコで力を掛けた際にトルク負けして停止してしまうことがあります。これ自体は安全機構が働いているという意味で悪いことではないのですが、使い勝手としてはAC接続での製品に劣ります。
これに対して、マルチボルトシリーズでは、同じような使い方でもスムーズに操作が可能です。
下記の動画では、最初に18Vの従来製品を試していましが、力を掛けているため、動作が途中で止まってしまいます。しかし、後半の36V製品(マルチボルト)ではスムーズに切断できているのが分かると思います。
このハイパワー化の恩恵は、当然丸ノコだけではなく、ドリルドライバやセーバーソーなどでも同様です。また、これにより、普段あまりコードレス製品としては見かけないようなものもコードレス化を実現しています。
例えば卓上スライド丸ノコ。AC機なみのパワーを発揮しながらも、新機構の採用により静音化も実現しています。最近は住宅街での建築現場でも騒音対策のために静音化の要望が強いのだとか。
コンクリートをはつるハンマードリルもコードレス化できます。
そんな製品群のなかで、個人的に最も気になったのがBluetooth対応の丸ノコと集塵機。最近の丸ノコは切削くずが飛び散らないように、集塵用のホースを取り付けられます(先の動画で丸ノコから伸びているホースです)。その先には集塵機、ようするに業務用の掃除機のようなものがあるのですが、基本的にスイッチは別々です。しかし、Bluetooth対応の製品は連動することが可能。
電動工具もだんだんとIoT化が進みますね。そのうちスマートフォンでバッテリ残量や回転数なんかも管理できるようになるのでしょうか。
マルチボルトシリーズには、これ以外にもインパクトドライバ、ブロワー、チェンソーなど様々な機器がそろっています。しかし、マルチボルトシリーズはプロ用工具。それなりのお値段がします。
ただ、バッテリーや急速充電器が別売りの本体のみの販売も行われています。バッテリーは共有できるので、日曜大工程度なら1~2つあれば十分なはず。上手くやりくりすれば安く収めることもできそうです。
まず1つ買うなら、使用頻度が高いドライバドリルですかね。
(関連:HiKOKI)