最近、端末のスペックでよく見かけるようになった「LTE Cat.4、LTE Cat.6」などの表記、なんとなく数字が大きいほどいいんじゃないの?ぐらいにしか思っていなかったのですが、先日、SamsungがLTE Cat.9に対応したGalaxy Note 4をリリースするというニュースなどをみて、あらためて「Cat.」ってなんだろう?というのを疑問に思ったので簡単に調べてみました。
LTEのカテゴリー
「Cat.」という表記が「Category」だというのは知っていましたが、正確には「ue-Category」というようです。UEというのはUser Equipment、ようするに端末のことです。
これを規定しているのは3GPPという団体で、現在はCat.1〜10まで規定されています。
このCategoryが何を表しているかというと、簡単にいうとLTEの性能の違いです。当初、3GPP Release 8というのでCat.1〜5までが規定され、このときは単純に数字が大きいほど高性能(速度が速い)というものでした。その後、3GPP Release 10でキャリアアグリゲーションなどのLTE-Advanceに対応したCat.6〜8が規定され、最近、3GPP Release 11でCat.9〜10が作られています。
Cat6以降は数字が大きいほど速いというわけではなく、理論上最速なのはCat.8の下り3Gbps上り1.5Gbpsです。
UE Category | 下り | 上り |
---|---|---|
Cat.1 | 10Mbps | 5Mbps |
Cat.2 | 50Mbps | 25Mbps |
Cat.3 | 100Mbps | 50Mbps |
Cat.4 | 150Mbps | 50Mbps |
Cat.5 | 300Mbps | 75Mbps |
Cat.6 | 300Mbps | 50Mbps |
Cat.7 | 300Mbps | 100Mbps |
Cat.8 | 3Gbps | 1.5Gbps |
Cat.9 | 450Mbps | 50Mbps |
Cat.10 | 450Mbps | 100Mbps |
上記速度はLTEの帯域幅として上限の20MHzを使った場合です。
例えばdocomoの端末でXiの受信速度が最大150Mbpsと記載されている場合に、下記のような注意書きがつくことがあります(上記はCat.4対応端末のXperia Z3 SO-01Gのもの)。
これは、東名阪バンド(LTE Band 3、1.7GHz帯)だけが帯域幅として20MHzを使っているためで、Band 3で使った場合のみ150Mbpsの速度がでるということです。メインバンドのBand 1(2GHz帯)では15MHzなので、最大速度は15/20で3/4、150Mbpsの3/4で112.5Mbpsになります。
auはすでにキャリアアグリゲーションのサービスを開始していますが、これに対応した端末はLTE Cat.6に対応しているということのようです。doconoのWiFiルータもキャリアアグリゲーションに対応したモデルが出ていますが、これもCat.6対応ということですね。
そんな感じで超ざっくりの説明ですが、何かの折に「そういえば、そんなことが書いてあったなぁ」程度に思い出して頂ければ……。
(link 3GPP, Wikipedia(LTE),LTE-Advanced Technology Introduction White Paper(PDF))