世の中にはいろいろなWEBサービスが提供されており、それらを利用する際に、利用規約に同意をするのはよくあること。もちろんTwitterやFacebookなどのサービスにもありますし、各所で提供されているFree WiFiに接続する際にも、利用規約に同意したりしているはずです。
そんなFree WiFiを英国で提供しているテクノロジー企業のPurpleが、ユーザーの多くは利用規約をほとんど見ずに同意しているということを示す実験データを公開しました。
このPurple、提供しているFree WiFiの利用規約に2週間以上にわたり、Purpleの裁量により下記のような項目含む1000時間のコミュニティサービスを実施する必要がある、という内容を追加していました。
- 地域の動物園の清掃
- 迷子になった猫や犬をハグする
- 下水道の詰まりを手で直す
- 地域のお祭りやイベントで、仮設トイレを掃除する
- 存在を輝かせるため、カタツムリの殻に絵を描く
- 道路のガムを掃除する
この規約が追加されてから、実に22,000人が利用規約に同意しており、2週間でたった1人だけがこの項目について指摘したということです。
もちろんPurpleはこの利用規約を守らせようとしているわけではなく、ユーザーがいかに利用規約を読んでいないかを示すための実験として行われました。
欧州では来年5月から一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDRP)という法律が施行されます。これは個人情報を扱う事業者に対して、ユーザーへの説明責任を含め、情報を適切に扱うように義務を課すものです。
今回のPurpleの実験結果は、PurpleがこのGDRPに準拠するサービスプロバイダであるという発表と同時に公開されました。実験結果から利用規約が読まれないのが明白になったため、これまでの1600語あった規約を260語まで削り、より明確で見やすいものにしたとのことです。
この手の実験、日本でやるとすぐに炎上しそうな気もしますが、どこかで実験してほしい気がします。そして、ユーザーとしては、やはりちゃんと利用規約は読まないとダメですね。