GoogleやNASAも導入し、世界初の量子コンピュータとして注目されているD-WAVEの最新機種、D-WAVE 2000Qの出荷を今四半期に出荷するそうです。
システム価格は$15million、約17億円。
最初の購入者は、サイバーセキュリティー対策を行っているTemporal Defense Systemsとのこと。
D-WAVE 2000Qは従来のD-WAVE X2の2倍となる2000量子ビット演算が可能で、D-WAVEの開発以来、「2年ごとに性能を2倍にする」ということが継続されているそうです。
後ろ側に巨大な箱(高さ3m)がありますが、この中身は量子コンピュータを正常に動作させるための冷却システムで、液体ヘリウムを使って、ほぼ絶対零度の-273.11111℃(絶対零度は-273.15℃)に保っているとか。
D-WAVEは汎用的なコンピュータではなく「量子アニーリング」という組み合わせの最適化問題に特化した計算を行う装置で、総合的な性能は従来のコンピュータと大差ないという調査結果があります。
このため、D-WAVEは量子コンピュータではないとする主張がある一方で、Googleは「組み合わせ最適化の問題を扱う上では従来型コンピュータの1億倍高速」という検証結果を発表しています。
そして、現在ホットな話題であるAIやディープラーニング(機械学習)はまさに量子アニーリングの得意分野であり、このために熱い注目を浴びているということですね。
私のような一般人には直接的にまったく関係のない話ではありますが、これを利用した成果であるAIやら機械学習によるサービスなんかはすでに世の中にあふれてきている(各社の音声アシスタント、リアルタイム画像翻訳、画像認識、etc)ので、注目しておいてもいい話題かもしれません。
なお、量子コンピュータってそもそも何さ?という人には、「量子コンピュータとは何か?」がお勧めです。
量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) | |
Kindle版ないんですね。
量子論については、「「量子論」を楽しむ本」が面白くわかりやすいと思います。
「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫) Kindle版 | |