Misfitをはじめとして、日本でも人気もフィットネストラッカーやアクティビティトラッカー。
そんなフィットネストラッカーが、ダイエットには逆効果かもしれない、という研究成果がこのほど発表されました。
2年にわたる研究成果が発表
フィットネストラッカを使った場合と使わなかった場合、ダイエットの効果に差はあるのかという内容を2年間にわたり研究した成果が「米国医師会雑誌(JAMA)」に発表されました。
研究方法
まず、18歳~35歳のBMIが25~40の471人が被験者として選ばれ、最初の6か月間、低カロリーな食事を摂取し、決められた運動プランをこなし、毎日ダイエット日記を記載し、毎週グループカウンセリングに参加するということを行いました。
この6か月間で、平均8.3Kg(7.1Kg~9.5Kg)の減量に成功しています。
※研究報告に記載されている(この記事で使用している)信頼度はすべて95%です。
7か月~24か月の間はグループを2つに分け、片方にはWEBサイト上に活動記録を自分で記録し、もう片方にはフィットネストラッカを装着してもらい活動記録を残すという方法をとっています。
フィットネストラッカはディスプレイがある市販のものを利用したそうです。
24か月経過時点で、どちらのグループも6か月時点よりも体重は増加してしまいましたが、最終的にはWEBサイトに記録していたグループは平均5.9Kg、フィットネストラッカを使ったグループは平均3.5Kgの減量という結果になっています。
フィットネストラッカを使うと活動時間が減る?
フィットネストラッカは運動を促進するための動機づけとして、またダイエットのための運動記録を目的として使われていたりもしますが、今回の研究結果をみると必ずしもその目的を果たしてはいないのかもしれません。
総活動(運動)時間としてはグループ間で大きな差はありませんでしたが、10分以上の連続した活動(運動)はフィットネストラッカを使用していないグループのほうが多いという結果になっています。
これは、使用していないグループは自分で時間を計測してWEBサイトに記載する必要があるため、意識的に運動していたのに対して、フィットネストラッカを使用しているグループは細切れでも運動時間が計測されるためかもしれません。
また、フィットネストラッカを使用すると、消費カロリーなどの付加情報が表示されるため、これを見て油断してしまったという可能性もありそうです。
結論 過信は禁物
今回取得したデータからは、フィットネストラッカを使用したほうが減量効果が少なかった原因はわからないということですが、今後、継続して研究調査を行うそうです。
また、手首に装着するフィットネストラッカの精度についても疑問視されています(実際よりも多く計測・表示しているのではないか?)。
フィットネストラッカを使っているという安心感が油断を招いてしまったという心理的な面もありそうですね。