事故や事件で救急車や警察に電話をしたとき、意外と躓くのかどこから連絡しているか(現場はどこなのか)を伝えること。昔の電話ボックスなら住所が書いてあったりしたのですが、最近は当然のように携帯電話やスマートフォンが使われるわけで、近くに住所を示すものがあるとも限りません。
スマートフォンを使っているので冷静になれば現在位置はすぐにわかりそうなものですが、そんな余裕がある人ばかりでもないでしょう。
そんな状況をなんとかすべく、Googleが米国の911センター(緊急通報ダイヤル)、そこに接続し音声回線や各種データなどを提供しているスタートアップ2社と共同で、911にかけてきたデバイスの位置情報をリアルタイムに提供する試験を行いました。
通常、携帯電話の位置は、使用している基地局などから割り出され、キャリアによりある程度特定はされています。しかし、今回Googleが提供したデータは、通話開始からの30秒間において、その80%以上がキャリアのものよりも正確だったとのこと。具体的には、キャリアの推定位置が半径522フィート(約159m)だったのに対し、Googleのデータでは121フィート(約40m)の範囲で特定できたそうです。
通話開始から30秒間ということは、時間が経つほどキャリアのデータが正確になっていくのかもしれませんが、1分1秒を争う緊急通報だからこそ最初にどれだけデータを集められるのかが重要なのでしょう。ちなみに緊急通報の応答時間を1分短縮すると、毎年1万人の命を救えるとの試算もあるそうです。
今回の試験中には、英語を話せない人からの通報や、パニックを起こして間違った場所を知らせる人にもうまく対応できたとしています。
現在、このGoogleよる位置情報の提供は、欧州を中心に14ヶ国で利用されているとのこと。プライバシー云々の話も出てきそうですが、緊急時になら許される気もします。
ちなみに、自動で位置情報は伝えたくないけど、口頭で現在位置を教えるのはやぶさかではないという人のため、Android標準の電話アプリでは緊急通報時にその場の住所を表示する機能もあるので、覚えておくとよいかもしれません。
(via The Verge)
(source The Wall Street Jounal)