目の機能が発達しきっていない子どもが利用すると、障害が生じる可能性もあると指摘されているVRですが、逆に弱視や斜視、輻輳不全などの治療のためにVRが利用されているケースもあります。それがVIVID VISONです。
そのVIVID VISONが、ニューヨーク州立大学(SUNY)の研究基金とのライセンス契約を締結したと発表しました。。
弱視や斜視の治療に使われるVR
弱視や斜視などは視神経の未発達がその原因となるケースがあります。この場合、治療法として、正常な眼を眼帯などでマスクし、未発達なほうの眼を極力利用することで発達を促し、機能を改善する治療法があります。
VIVID VisonはこれをVRを使用して行うもの。左右に違う画像を表示し、正常な眼(視力が良いほうの眼)には信号強度を弱めた画像、弱い眼には信号強度を強めた画像を表示することで、徐々に左右の視力差を少なくするという方法です。
米国ではすでに123の施設で提供されているほか、Oculus RiftやHTC Vive、Gear VRを使い家庭でもトレーニングが行えるキットも提供されています(ただし、利用には医師の処方が必要とのこと)。
SUNYの特許取得済み技術を利用
そんなVIVID VISIONがSUNYと提携したのは、SUNYで発明された技術を利用するため。具体的にどういったものなのかは定かではありませんが、視線追跡により網膜に刺激を与え、ニューロンを活発化。両方の目が適切に動くようにするというもののようです。
VIVID VISIONと組み合わせることで、弱視や斜視などの治療技術を次段階に進めるのが目的とのことです。
医療分野でのVRの可能性
あくまでも弱視や斜視など、視神経の未発達、視力差による機能異常のための方法で、近視や遠視などが改善するわけではありません。ただ、この先技術が進み「遠くを見ている状態」を作れるようになるなら、初期の仮性近視の治療などには役立つかもしれません。
大人の近視も眼を無理やり動かして改善……なんてことができればいいのですが、さすがに無理っぽいですね。
ちなみにVIVID VISON、日本語サイトもあり日本にオフィスもあるようですが、日本国内では提供されていません。
(via uploadvr)
(source VIVID VISION)