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【更新】MVNO各社の価格差、速度差はなぜ生まれるのか?

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MVNO

注目度が高まりつつあるMVNOの格安SIMですが、各社ごとに料金プランが違うのもはもちろん(同じ金額のものもありますが)、速度も違ったりします。なぜこんな違いがでるのか、そもそもなぜ格安なのか、なぜ各社で料金が異なるのかというあたりを疑問に思っている人もいるかもしれません。

以前BIGLOBEのSIMの記事を書いたときに、わかりやすいかと思って高速道路の車線に例えたりしたのですが、今回はもう少し詳しく書いてみたいと思います。詳しくと言っても、私自身がそれほど詳しいわけでもないんですけどね。

改訂履歴

  • 2014/9/28 初出
  • 2016/3/29 docomoの卸Xiサービス提供料金などを2016年3月時点のものに修正したほか一部加筆修正を加えています。

docomo(MNO)の卸価格

docomoのMVNOは当然docomoから回線を借りているわけですが、その借り方は各社根回しをして接待して少しでも安く……とやっているわけではなく、docomo側で回線使用料が決まっています。

docomo 第2種卸Xiサービスの提供料金等

この価格は、docomoが公開している「MVNO様向け卸携帯電話サービス概要のご説明資料」というのに記載があります。これを含め、docomoのMVNO向けの資料は「MVNOとしての事業をご検討の事業者様へ」というページにまとめられています。ここ数年でMVNOの金額が下がってきているのは、もともとのdocomoからの卸価格が年々下がってきているからです。なお、同様の資料は、KDDISoftbankからもリリースされています。

レイヤー2接続

この資料には、「GTP接続する場合(レイヤー2接続する場合)」、「GTP接続以外による場合(レイヤー3接続)」とか色々書いてありますが、「GTP接続する場合」のほうが価格が安いのは、MVNO側で相応の設備投資が必要になるからです。設備投資が必要だけど利用料は安くなる、もう一方では設備投資はそれほど必要ないけど利用料は高いというパターンがあるわけですね。また、「GTP接続する場合」のほうがMVNOとしては提供できるサービスの自由度があがってきます。

レイヤー2接続で自由度がさらに向上

docomo回線の利用料

docomoの回線を借りる場合の料金ですが、10Mb/sが基本料金で以降、1Mb/sごとに追加料金が必要ということになっています。「Mb/s」という単位が見慣れませんが、これはMbpsのことです。この「10Mb/s以上1Mb/sごとに」というのをどれだけ借りるか、どれだけの利用者で使うのかによってMVNOの料金や回線速度が決まるわけですね。

例えば、GTP接続する場合にトータルで100Mb/s(9,450,509円)を借りたMVNOが契約者10,000人で使うなら、1人あたり約945円。同時接続するのが1%の100人と想定するなら1人あたり1Mbps使えることになります。

同じ10,000人でも10Mb/sしか借りないのであれば、1人あたり94.5円となりますが、同時使用0.1%の100人だと1人あたり使えるのが0.1Mb/sとなってしまいます。

実際にはこんな単純計算ではないですし、上の表にもあるように他にもいろいろ費用がかかります。docomoからの購入金額にMVNOの経費や利益を乗せるので価格ももっと高くなるのですが、この辺の価格設定、どれだけの回線を購入するか、そして契約者数と同時使用数の見積もりなどが各MVNOの腕の見せどころ、特色となるのでしょう。

MVNOはdocomo回線と同じ速度?

結論から言うと、理論的には同じ速度がでます。先ほどの資料の中でもdocomoは回線速度として「当社一般ユーザと同等の通信速度」がでると記載しています。ですがあくまでも理論値。実際にはMVNOの回線速度はdocomoと契約している場合よりも遅いです。

MVNOがどれだけの帯域を借りるか、それをどれだけのユーザに使わせるのかによって速度が変わってきます。多数の帯域を借りてそれを少数のユーザで利用すればdocomoと同じ速度がでるのでしょうが、それだと利用料金もdocomo並みになってしまいます。安さを売りにしているMVNOとしてはやはり速度を多少落としてでも安く提供しようというのが普通でしょう。

MVNOも雨後の筍のような勢いで増えているので、そろそろ、「うちはこれくらいの速度が出ることを想定していますよ(保証はしないけど)」というのを開示するところが出てきても良さそうな気がするんだけど、どこかやらないですかね?

仲介業者 MVNEの存在

上記のようにdocomoとの接続料金は決まっているのですが、実際にdocomoと直接契約しているMVNOというのは実はあまり多くありません。というのも、MVNOとの契約だったり交渉だったり運用だったりというのはそれなりにノウハウなどが必要になってくるからです。にもかかわらず、最近ではホイホイとMVNO事業者が増えていますが、この背景にはdocomoとMVNOを仲介するMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)という存在があります。

回線を再販しているMVNE

MVNEが何者かというとコンサル業者のようなものと考えるとわかりやすいのですが、それ以上に「docomoから借りた帯域を又貸しできる業者」という立場のほうが重要です。

ようするにdocomoとレイヤー2で接続するには高額な設備投資が必要になりますが、MVNOに参入したいすべての業者がそんな設備を持てるわけではありません。そこで、設備投資はMVNEが行い、そのMVNEから帯域を借りて運用部分だけMVNOが行うということが行われているわけです。

MVNE自身もMVNOとして事業を行っていたりもするのでややこしいですが、MVNEとしては下記のようなところがあります。カッコ内はそのMVNEに所属するMVNOです。

  • OCN(OCN、ぷららモバイル、など)
  • IIJ(IIJmio、DMMモバイル、イオンモバイル、など)
  • Freebit(DTI、U-Mobile、など)

もちろんこの他にもいくつかありますし、FreetelのようにMVNEを介さずに独自でレイヤー2接続を行っている事業者もいます。

以上、つらつらと書いてみましたが、100%正しいという自信はありません……。

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