2017年10月のClova Wave一般販売を皮切りに、各社スマートスピーカーが日本国内でも続々と販売開始されています。しかし種類が増えてくると、今度はどれを選べばいいのか迷ってしまうのが悩みどころ。
そんな人に、多少なりとも参考になればと各社スマートホームや音声AIアシスタントの特徴をまとめてみました。
各社スマートスピーカーの特徴と比較
以下に挙げているのは、日本で購入できるものですが、一部国内未発表のものも含みます。また、下記以外にもSonyやオンキョー、AnkerなどからGoogleアシスタントやAlexaを搭載したスマートスピーカーも発売されています。
それらはスピーカーとしての性能はともかくとして、音声AIアシスタントでできることは下記に挙げたものと同じです。
Gogole Home(Googleアシスタント)
Googleの音声AIアシスタント「Googleアシスタント」を搭載するスマートスピーカー。海外では2016年5月のGoogle I/Oで発表され、同11月に発売。2017年10月には小型版のGoogle Home Mini、音質重視のGoogle Home Maxが発表され、Google Home、Google Home Miniの国内販売も開始されました。
基本的にはスマートフォンに搭載されているGoogleアシスタントと同等の機能ですが、一部、Google Homeデバイスでのみ利用可能な機能も存在します。
Alexaでのスキルに該当する「アクション」という機能に対応しており、様々なアプリ(アクション)が提供されています。リリース当初はどんなアクションがあるのか分かりにくかったのですが、現在は一覧ページが設けられており、必要なアクションを検索可能です。
複数のGoogle HomeシリーズやChromecast Audioデバイス、Chromecast built-in搭載スピーカーでグループを作成し、すべてのスピーカーから同時に音楽を再生するオーディオグループ(マルチルーム機能)に対応。各部屋に設置しておけば、家中すべての部屋で同じ音楽が流れている状態を作れます。
音声認識によりGoogleアカウントを使い分けることができ、スケジュールの確認やショッピングリストの作成などを特に指定しなくとも話者のアカウント毎に使い分けられるのが特徴。また、日本語対応はまだですが、英語圏では「ごはんできたよー!」のようなメッセージをすべてのGoogle Homeから流せるブロードキャスト機能もあります。
ウェイクアップワードは「OK Google」「ねぇ Google」。IFTTTにも対応しており、様々なサービスと連携が可能です。
デフォルトの音楽サービスはGoogle Play MusicとSpotify。
Chromecast Audio機能を内蔵しており、スマートフォンとBluetooth接続するだけでなく、対応サービスならCastして再生を引き継がせることが可能。また、友人が来た時など、家のネットワークに繋いでいなくても、ゲストモードを利用してChromecast対応デバイスを指定し、そちらで音楽再生することもできます。
その他関連記事は下記。
Google Home
- サイズ:142.8 x 96.4 mm
- 重さ:477g
- スピーカー:2インチ(50.8mm)ドライバ + 2インチ デュアルパッシブラジエター
- 無線:802.11 b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
ベース部分を取り外し、交換が可能。公式に交換用ベースが販売されているほか、サードパーティーからもいくつか出ています。
バッテリを内蔵した交換ベース「LOFT」も販売されています。
Google Home Mini
- サイズ:42 x 98mm
- 重さ:173g
- スピーカー:40mmドライバー
- 無線:802.11 b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
カラーはチョーク、チャコール、コーラルの3色。コーラルは当初Googleストアの限定でしたが、その後ビックカメラなどでも販売が開始されています。
発売前に見つかった不具合により上面タップによる音楽再生の停止機能が削除されましたが、アップデートにより側面タップ、長押しでアラームの停止、音楽の再生・一時停止に対応しました。
壁掛け用ホルダもいくつか出回っており、設置場所を選ばないのが魅力。
なお、Google Homeとは違い、電源はmicroUSBで5V/1.8Aあれば動きます。このため、モバイルバッテリを接続して持ち歩くことも可能です。
Google Home MAX(日本未発売)
- サイズ:336.6 x 190.0 x 154.4mm
- 重さ:5.3Kg
- スピーカー:114mmウーファー x 2 + 18mmツイーター x 2
- 無線:802.11 b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:AUX入力対応
音質重視な重量級スマートスピーカー。スマートスピーカーとしては珍しく、AUX入力に対応しているのが音質への自信の表れとも受け取れます。
2台を使用し、セパレートなステレオスピーカーとして利用可能。この機能は他のGoogle Homeデバイスでも使える可能性がありますが、いまのところ公式にアナウンスされているのはMaxだけです。
⇒ Google Home Max – Multiroom Wifi Speaker – Google Store
Amazon Echo(Alexa)
Amazonの音声AIアシスタント「Alexa」を搭載するスマートスピーカー。この分野では最初期、2014年11月に発売されています。従来、大型のEchoと小型のEcho Dotという構成でしたが、大型のものはEcho Plusに改名され、中間サイズのEchoが追加されました。
スキルと呼ばれる機能を追加することで、できることが増えていくのが特徴。スキルの開発はサードパーティーにも開放されていますが、英語圏(米Amazonアカウント)のスキルをそのまま日本で利用することはできず、日本でのスキルはやや少なめになっています。
Google Home同様、複数のEchoデバイスから同時に音楽を流せるマルチルーム再生に対応。英語圏では音声認識による個人の識別(Voice Plofiles)や、Echoデバイス同士の通話が利用可能になっていますが、日本ではまだ未展開です。
ウェイクアップワードは「Alexa」。設定で「Amazon」「Echo」「Computer」に変更可能です(同時利用はできず、どれか1つ)。
IFTTTも利用できますが、日本語音声の設定は行えません。
なお、Echo製品全般に言えますが、マイク性能が非常に高く、Google Homeでは拾ってくれないような小さな声や離れた場所からの呼びかけにもしっかり反応してくれます。
デフォルトの音楽サービスはAmazon Music。Amazon Musicのアプリは「Alexa Cast」という機能に対応し、スマートフォンで再生中の曲をEchoデバイスやChromecastにキャストできるようになりました。
また、米国では、音声での音質調整(イコライザ機能)にも対応しています。
その他、関連記事は下記。
Echo Plus
- サイズ:235 x 84 x 84mm
- 重さ:954g
- スピーカー:2.5インチ(63.5mm)ウーファー + 0.8インチ(20mm)ツイーター
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:AUX出力対応
スマート家電製品が採用するプロトコル「ZigBee」に対応しており、対応製品なら別途コントロール用のハブなどを使う必要がないのが特徴。
Echo
- サイズ:148 x 88 x 88 mm
- 重さ:821g
- スピーカー:2.5インチ(63.5mm)ウーファー + 0.6インチ(16mm)ツイーター
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:AUX出力対応
カラーはサンドストーン、チャコール、ヘザーグレー。海外ではほかにも木目調やステンレス仕上げのタイプも販売されています。同じく交換用のカバーも販売されていますが、こちらも国内では標準の3色のみとなります。
Echo Dot
- サイズ:32 x 84 x 84 mm
- 重さ:163g
- スピーカー:0.6インチ(16mm)
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:AUX出力対応
カラーはブラックとホワイトの2色。5色の純正カバーが販売されています。
スピーカーを内蔵はしていますが、もともとは外部スピーカーを接続して使用することを想定した製品です。
サイズ的に手ごろなためか、外付けバッテリを使いモバイル使用を可能にするものがいくつか販売されています。
Echo Show(日本未発売)
- サイズ:187 x 187 x 90 mm
- 重さ:1170g
- スピーカー:2インチ(50.8mm) x2
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
- 7インチタッチスクリーン搭載
- 5MPカメラ搭載
7インチディスプレイを搭載したEchoデバイス。スマートスピーカーとしても利用するほか、天気やニュースを映像で確認したり、セキュリティカメラの映像を映したりすることもできます。
Echo Spot
- サイズ:104 x 97 x 91 mm
- 重さ:419g
- スピーカー:1.4インチ(35.6mm)
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:AUX出力対応
- 2.5インチタッチスクリーン搭載
- フロントカメラ搭載
2.5インチディスプレイを搭載した小型Echoデバイス。ベッドサイドで時計代わりにも使えるデバイスです。
2018年7月26日に日本でも発売されました。
価格 ¥ 14,980 (2018/07/28 00:47時点)
Amazonで購入
Fire HDタブレットのShow Mode
日本のAmazonアカウントではでは利用できませんが、米アカウントであれば、Fire HD8/HD10でAlexaが利用可能。そしてそのFireタブレットにShow Modeが追加され、ディスプレイ付きAlexaデバイスとして利用できます(米アカウントでなら、ですが)。
Clova Wave(Clova)
LINEの音声AIアシスタント「Clova」を搭載するスマートスピーカー。国内で最初に発売されたスマートスピーカーです。
LINEと連携し、音声でメッセージを送信可能。また、バッテリーを内蔵しており、持ち運んで利用できるのが特徴です。音声の認識(楽曲の認識)は、Googleアシスタント、Alexaと比べるとまだ甘いところもありますが、徐々に良くなると期待したいところ。
ウェイクアップワードは「Clova(クローバ)」。設定で「Jessica(ジェシカ)」に変更できます。
IFTTTには非対応ですが、Waveは赤外線コントローラを搭載しており、スマート家電でなくとも赤外線対応のテレビや照明を音声でコントロールできるのが特徴です。Friends用にもオプションで赤外線搭載のベースが発売予定です。
デフォルトの音楽サービスはLINE Music。
Clova Wave
- サイズ:201.05 x 86.25(上面) x 139.84(底面) mm
- 重さ:998g
- スピーカー:2.5インチ(63.5mm)ウーファー * 1インチ(25.4mm)ツイーター x2
- 無線:802.11b/g/n(2.4GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
- バッテリー:5000mAh
国内で発売されているスマートスピーカーとしては大型。バッテリーを内蔵しているだけあり重さもあります。
Clova Friends
- サイズ:72 x 72 x 170.3 mm
- 重さ:378g
- スピーカー:45mmフルレンジ + 60x45mmパッシブラジエター
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
- バッテリー:2850mAh
Clova搭載スマートスピーカーの第2弾。LINEの人気キャラクター「ブラウン」「サリー」を模したデザインが特徴的。そのキャラクター性に合わせて、着せ替えカバーの販売も予定されています。
Wave同様バッテリを内蔵しており、Wi-Fiさえあれば外に持ちだしての使用も可能です。
Clova Friends mini
- サイズ:72 x 72 x 113.8 mm
- 重さ:258g
- スピーカー:45mmフルレンジ
- 無線:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)
- Bluetoothスピーカー:対応
- AUX入出力:非対応
- バッテリー:2000mAh
Clova Firiendsのさらに小型版。基本仕様はFriendsを踏襲しているのが特徴です。サリー、ブラウンだけではなくドラえもんモデルも販売されています。
自分が使いやすいものを選べばOK
徐々に種類が増えてきて、どれを買えばいいのか迷いますが、現状では各製品とも大きな差はなく、普段利用している音楽サービスに合わせて購入するのも一つの手です。いつもLINE MUSICを使っている人が、Google HomeやEchoを買ってもLINE MUSICは使えず、不満に思うかもしれません。
また、IFTTTとの連携を考えているなら、いまのところGoogle Home一択です(Echoも英語では対応済みなのでいずれ日本語対応するとは思います)。
Philips HueなどのZigBee機器の購入を一緒に考えているなら、Echo Plusが便利。ただ、すでにハブを設置し利用しているのであれば、Echo Plus(Echoシリーズ)にこだわる必要はありません。
個人的な意見で優劣をつけるなら、現在は Google Home > Amazon Echo > Clova Wave といったところ。
ハードウェア的にな出来ならEchoのマイク感度が素晴らしいのですが、全体的な使い勝手からすると上記のように感じます。私自身、LINEを使っていないので、もしかするとLINEユーザーならClovaが便利なのかもしれませんが。