世界中で普及している一大イベント、4月1日のエイプリルフール。日本ではエイプリルフールと呼びますが、英語圏ではApril Fool’s Dayで、エイプリルフールは騙された人のことを指す言葉です。日本には大正時代に入ってきたようです。
起源がはっきりとしないエイプリルフール
クリスマスやイースターと違い、宗教に関わりなく世界中に普及しているエイプリルフールですが、その起源は実ははっきりとはしていません。
名称としては日本では「エイプリルフール」、直訳して「四月馬鹿」ということもあります。英語では「April Fools’ Day」、中国語では「愚人節」、フランス語では「プワソン・ダヴリル(Poisson d’avril, 四月の魚)」、ベトナムでも「カータントゥ(Cá tháng tư(4月の魚)」となっています。
ベトナムがフランス語と同じなのは、かつてフランスの植民地だった影響でしょう。なお、フランス、ベトナム以外にも、イタリア、ベルギー、オランダ、スイス、カナダで「4月の魚」と呼ばれているようです。
この魚、サバのことだそうで、この時期になると馬鹿みたいにサバが大量に取れることから、愚か者と同じ意味で魚が使われているようです。
いろいろな起源説
その起源は諸説あり、これといったものに定まっていないのが実情のようです。
- 旧約聖書のノアの箱舟で、ノアが4月1日にハトを飛ばしたものの、陸地を見つけられずに戻ってきたことから、ハトのように無駄なことをさせられるといういわれが起源とする説
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古代ローマでは4月1日に「万愚節(All fool’s day)」というお祭りがあり、この日限りは道化師を主賓席に座らせるなどし、バカ騒ぎを行っていたのを起源とする説
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古代インドでは春分の期間(3月25日~3月31日)に仏教の説法が行われていたものの、その期間が過ぎると、修行僧たちはもとの混迷の世界に戻ってしまい、説法も無駄に終わるということで、3月31日(あるいは4月1日)を揶揄節(やゆせつ)と呼び、人に無駄なことをさせて楽しんだのを起源とする説
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16世紀、それまで4月1日が新年の始まりとされていたフランスで、1月1日を新年とする暦に改めたため、これに反発する人が4月1日を「嘘の新年」と呼び始めたのが起源とする説
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15世紀のスペイン国王フィリップ2世が、異端審問で異端とされた人々を毎年4月1日に処刑。被疑者は毎日嘘をつくなどして恐怖を紛らわせていたのを起源とする説
その他にもまだまだ沢山の説がありますが、16世紀のフランス説が割と有力なようです。
日本独自のローカルルール?
Twitterなどでは「エイプリルフールの嘘は午前中だけで、午後は嘘だったことを明かさなければならない」「エイプリルフールについた嘘は1年間本当にはならない」などの話がまことしやかに流れていますが、その根拠となるような話は見つけることができませんでした。
おそらく日本の独自ルール(?)ではないかと思います。
なんにしろ、エイプリルフールを楽しむのは構いませんが、せめて罪のないかわいらしい嘘で済ませて欲しいところです。
願わくば、Googleのように技術力を無駄に使った全力のお遊び系が増えて欲しいのですが、さすがに難しいでしょうかね。