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Hangzhou Dangbei Network Technology(以下、Dangbei)が、天井投影にも対応したホームプロジェクター「Dangbei N2(ダンベイ エヌツー)」を5月末に発売しました。価格は6万5800円、専用スタンドは1万800円。
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量販店では、スタンドとセットで5万8800円で販売しています。なので、購入するのであれば量販店がおすすめです。
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Dangbei N2は、2023年2月に発売されたEmotn N1の後継モデル。外観はほぼ同じですが、リリース文によると、Emotn N1から冷却性能がアップし、投影も明るくなったようです。
今回、そんなDangbei N2をレビュー用にお借りしたので、実際の使用感などを紹介したいと思います。
コンパクトなホームプロジェクター
ホームプロジェクターというと、天吊りや棚の上など常に設置しておく必要がありそうなイメージですが、Dangbei N2はサイズが197×130×207mmで、重さも2.2Kgと比較的軽量です。
前面にはレンズのほか、下部にオートフォーカス用のカメラを搭載。Emotn N1はToF方式の測距センサーでしたが、上位モデルと同じCMOSカメラになり、AIアルゴリズムを使用した「InstanPro AI画像調整技術」に対応します。これにより、オートフォーカスや自動台形補正、画面調整、障害物回避などを行えます。
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背面にはDCジャックのほか、HDMI 1.4ポート、USB 2.0×2、3.5mmジャック(出力用)があります。
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本体にはバッテリーは搭載しておらず、使用する際には電源アダプタの接続が必須です。
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映像入力は、HDMIのほか、USBに保存した映像も再生可能。このほか、Miracast/Homeshare(DLNA)をサポートした機器からのストリーミング再生に対応しています。
Netflixに公式対応
プロジェクタの出力解像度は1920×1080ピクセル。オートフォーカス対応なので、電源を入れると自動的にフォーカスを合わせてくれます。ただ、ズーム機能は50%~100%に対応。ようするに、拡大はできませんが50%までの縮小は可能です。基本的には、投影サイズはスクリーン(あるいは壁)と設置場所の距離に依存します。推奨投影サイズは100インチ(距離は約2.74m)が推奨とのことです。
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自動台形補正にも対応。安価な製品は上下のみで、左右に補正できないものもありますが、Dangbei N2は垂直±30°、水平±20°に対応。もちろん、この範囲で手動での調整も行えます。
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自動障害物回避機能も備えているので、映像の端が壁のスイッチなどにかかってしまう場合には、それを避けるように自動的に縮小して表示してくれます。
肝心のコンテンツですが、OSが何かはわからない(Androidベースな気はしますが)ものの、Netflix、YouTube、Amazon Prime Videoなどがインストール済み。WiFiに接続していれば、単体でこれらのサービスを利用可能です。
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Netflixは、Google TVなどでは利用できないデバイスも多いのですが、これは公式のNetflixアプリを利用するには、ライセンス契約が必要なため。Dangbeiは、Netflixとライセンス契約を行っているので、野良アプリをインストールしたりすることなく、安心してNetflixを利用できます。
なお、Google Playは利用できませんが、AppストアとしてNetRangeを搭載しています。とはいえ、正直なところ、利用する必要はないでしょう。
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NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoを見るだけであれば、Dangbei N2単体でも問題ありませんが、それ以外のサービスを利用したい、PCの画面を映したいということであれば、HDMI接続を利用することになります。
Miracast/Homeshare(DLNA)を利用すれば、ワイヤレスでスマートフォンやPCからのキャストも行えます。
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映像自体は、日中の室内でもカーテンなどを閉めなくても十分に視聴できるほど明るいです。
なお、本体には6W×2のDolby Audio対応スピーカーを搭載しています。このスピーカーだけをスマートフォンなどからBluetoothスピーカーとしても利用可能です。
ただ、スピーカーは本体背面に搭載されているので、プロジェクターが視聴位置よりも後ろにある場合には、あまり音の広がりを感じません。手前にある場合には十分な音質です。
夜間など、あまり音を出せない場合にはイヤホンやヘッドホンを接続して利用することもできます。有線だけでなく、Bluetoothイヤホンとの接続も可能です。
操作はすべてBluetoothリモコンから
この手のプロジェクター、本体に操作ボタンが本体にあるものもDangbei N2は電源ボタン以外はありません。操作に関しては、すべて付属のBluetoothリモコンで行います。
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「戻る」や「ホームボタン」、「十字キー」、「ボリューム」のほか、Netflix、Prime Video、YouTubeボタンも搭載しており、ワンキーでアクセス可能です。
Bluetoothなのでプロジェクターに向ける必要はないのですが、ついつい向けてしまう……。
専用スタンドで天井投影にも対応
Dangbei N2の特徴の1つが、専用スタンドの存在です。別売り(量販店ではセット販売が行われています)となりますが、専用スタンドを利用することで気軽に角度調整ができ、天井投影も行えます。
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上下の角度は0~210度の範囲で無段階調整。狙った位置でしっかりと止まります。台形補正もあるので、真上でなくても天井に綺麗に投影可能です。
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本体底面にも簡易なスタンドが付いており、約7.5度の角度をつけることができますが、専用Dangbei N2を活用するなら専用スタンドは必須アイテムかもしれません。
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なお、スタンドの有無とは関係ありませんが、天吊りや背面投影にも対応しています。
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場所をとらないホームプロジェクタ
モバイルプロジェクタとしてはやや大きめではあるものの、持ち運んで使いやすいサイズ感です。AC接続が必須というのが、やや残念ではあります。ただ、その分、大きな光学系機能が詰まっていると考えると、高性能なのもうなづけます。
リビングや寝室の片隅に置いておいても邪魔にならないので、必要なときに設置するというスタイルが使いやすいでしょう。専用の収納ケースがないので外への持ち出しは不便かもしれませんが、ポータブル電源を使ってアウトドアでの上映会なども楽しそうです。
ただし、冷却性能アップのためか、ファンの音は大きめです。イヤホンを使うなら別ですが枕元に置いて天井投影はあまりお勧めはできません。
性能を考えると、価格的にも十分に安いと言える範疇。そこそこの性能のプロジェクタが欲しいけれど、あまり置き場所を取りたくないという人にはぴったりかもしれません。