※本記事は、2023年11月7日に技術の手帖に寄稿した記事の転載です。
遠くでも手元でも、見たところにピントが合う次世代アイウェアのViXion01の出荷が開始されたようです。GREEN FUNDINGでの支援額も4億円を超えるなど、とても話題になっている製品です。
私自身、実際に体験してみてとても気にはなったのですが、常に手元が見たいわけでもないですし、今のところViXion01は視野が狭く、日常的に掛けていられる製品ではないということで、支援は見送りました。これについては次期製品に期待したいところ。
とはいえ、寄る年波には勝てず、手元のスマホが見づらくなってきたのは事実。幸い、メガネを外せば手元は見えるのですが、そうすると今度はPC画面が見えず、スマホに送られてきたワンタイムパスワードをPCで入力する場合などは、メガネを掛けたり外したりととても煩わしい状況になってしまいます。
素直に遠近両用レンズを作ればいいのでしょうが、先にも書いた通り、常に手元を見たいわけではなく、必要ないときは視界がすっきり開けていてほしいのです。
前置きが長くなりましたが、そんなわがままを叶えられる製品をAmazonで見つけたので購入してみました。2週間ほど利用していますが、きわめて快適です。
購入したのは、メガネに装着できる跳ね上げ式の拡大鏡。Zealotというメーカーの製品です。似たような製品は数多くありますが、装着状態でもメガネ全体を覆うのではなく、手元を見るために目線を下げたときだけ拡大できるというサイズ感が決め手です。
手元を見れば拡大してくれ、視線を上げれば通常の視界で見ることが可能。これなら手元のスマホ画面を見つつ、PC作業も難なく行えます。プラスチックレンズで若干透明度が低いですが、実用上困るほどではありません。
また、使わない場合には跳ね上げておくこともできます。クリップ式で着脱が楽とはいえ、都度外す必要がないのは便利です。
アームの長さが18mm、25mm、35mmの3種類あり、自身で使っているメガネに合わせて選ぶ必要があります。また、拡大倍率は1.3倍~2.0倍まで。老眼の補助として使用する場合は、倍率=老眼度数÷4+1(老眼度数はメガネ装着状態のもの)を目安にすると良いようです。
とても快適なので、日常的に装着しっぱなしで使っています。はじめのうちは、このまま外出すると恥ずかしいかも……と思っていましたが、すっかり気にせず、そのまま買い物などに行っています。周りの人は、自分が思っているほど気にかけたりはしていないものです。なお、持ち運び用のスリーブも付いているので、出先では使う時だけ装着するなんてこともできます。
当面はこの拡大鏡でしのぎつつ、ViXion02か03あたりで日常的に使える製品になるのを待ちたいと思います。