1万円以下でANCやハイレゾ対応など、高コスパなイヤホンを発売しているEarFunが、10月末に新たなイヤホン「EarFun Air 2 NC」を発売しました。ANCかつLDAC対応のハイレゾイヤホンで、価格は7990円。
EarFunのイヤホンはこれまで何度か紹介していますが、今回のEarFun Air 2 NCもレビュー用に提供いただいたので、さっそく紹介します。
ANC、LDAC対応のハイレゾイヤホン
EarFun Air 2 NCは、LDACに対応し、ANCを搭載したカナル型のイヤホン。と書くと、前回紹介したEarFun Air Pro 4と同じでは?という気がしてくるので、とりあえず両者の違いを簡単にまとめてみました。
主な仕様を比べると、下記のようになります。
EarFun Air 2 NC | EarFun Air Pro 4 | |
---|---|---|
Bluetoothバージョン | 5.3 | 5.4 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC | SBC、AAC、LDAC、aptX Lossless、aptX Adaptive |
ドライバー | 11mm ウール複合ダイナミック・ドライバー | 10mm ダイナミックドライバー |
ノイズキャンセリング | QuietSmart 2.0 最大-45dB | QuietSmart 3.0 最大-50dB |
再生時間 | ANCオフ: 最大40時間 (ケース込み), 最大9時間 (イヤホン単体) ANCオン: 最大27時間 (ケース込み), 最大6時間 (イヤホン単体) | ANCオフ: 最大52時間 (ケース込み), 最大11時間 (イヤホン単体) ANCオン: 最大35時間 (ケース込み), 最大7.5時間 (イヤホン単体) |
低遅延ゲームモード | 55ms | 50ms |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
Google Fast Pair | 対応 | 対応 |
装着検知 | 非対応 | 対応 |
防水規格 | IPX5 | IPX5 |
価格 | 7990円 | 9990円 |
「ANC」「ハイレゾ対応」と聞くと、同じでは?と思ってしまいますが、こうしてみると、EarFun Air Pro 4が全体的に上位互換なことがわかります。また、EarFun Air Pro 4はAIによるANCの自動調整などがありましたが、EarFun Air 2 NCはAI対応自体がうたわれていません。
とはいえ、正直なところANCの効き具合に関しては聴き比べてもわかりません。ポイントはaptX Adaptive対応と装着検知の有無をどう考えるかになるでしょう。
シンプルなカナル型
形状としては、ステムが長めのよくある形状。イヤーピースはXS/S/M/Lの4種類が付属しており、Mサイズが装着済みです。
装着感は良好。イヤピースが4サイズあるので、自分に合ったものが見つかるでしょう。残念ながら装着検知には非対応。イヤホンを外しても、再生が停止することはありません。
ステム上部がタッチセンサーになっており、タップや長押しで各種操作を行えます。操作はデフォルトでは下記の通り。この操作はコンパニオンアプリで変更も可能です。
操作 | 右ユニット(L) | 左ユニット(R) |
---|---|---|
1回タップ | ボリュームダウン | ボリュームアップ |
2回タップ | 再生/一時停止 通話応答/終了 | 再生/一時停止 通話応答/終了 |
3回タップ | 前の曲 | 次の曲 |
2秒長押し | ANC/ノーマル/外音切替 着信拒否 | 音声アシスタント起動 着信拒否 |
充電ケースは、EarFun Air Pro 4よりも一回りコンパクト。ステムを差し込んで充電するタイプになりました。
バッテリー持ちはANCオンで最大6時間、充電ケース併用で27時間です。充電ケースはUSB-Cでの充電のほか、ワイヤレス充電にも対応しています。
設定豊富なコンパニオンアプリ
コンパニオンアプリは「EarFun Audio」。ANCのON/OFFやイコライザー設定なども行えます。
EarFun Audio
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ANCは、ノーマルモード(ANCオフ)、ノイキャンモード(ANCオン)のほか、外音取込モード、風ノイズキャンセリングモード、耳適応ANCが用意されています。
耳適応ANCは、外耳道の構造に応じて、最適なノイズキャンセリング効果が得られるというもの。風ノイズキャンセリングモードは特に説明がありませんが、EarFun Air Pro 4と同じであれば、イヤホンのマイクに当たる風切り音を低減するモードです。
イコライザー設定は、プリセットは、デフォルト/Rock/Pop/Country/R&B/Classical/Jazz/Electronic/Dance/Hip-Hop/Metal/Blues/Soul/Hits/Latin/Natural/ボーカル強化/ボーカル減少/低音ブースト1/低音ブースト2/低音ブースト3/高音ブースト1/高音ブースト2/高音ブースト3/低音を弱める1/低音を弱める2/低音を弱める3/高音を弱める1/高音を弱める2/高音を弱める3、の30種類が用意されています。
このほか、自分好みの調整も可能。聴こえ方をテストして最適なイコライザ調整を行う適応イコライザもあります。
また、EarFun Air Pro 4にはありませんでしたが、「シアターモード」という設定が追加されています。オンにするとイコライザーが無効になりますが、サラウンド効果で臨場感がアップします。ただ、シアターモードを有効にすると、音に包み込まれている感覚はあるものの、中高音の抜け感、とくに高音の伸びやかさがなくなってしまう印象を受けました。この辺りは好みの問題もあるかもしれません。
全域でクリアな音質
肝心の音質ですが、EarFun Air Pro 4は低音がやや強めでしたが、こちらは低音がやや弱めなものの、全体的にはドンシャリといった感じです。豊富なプリセットやカスタマイズできるイコライザで自分好みの音に調整することもできます。
ANCの効きも良好です。パッシブでの遮音効果も高めではありますが、ANCをオンにすると耳元にある3Dプリンターのモーターやファンのノイズもしっかりとカットしてくれます。
aptXや装着検知を重視するかどうか
EarFun Air 2 NCとEarFun Air Pro 4、どちらを選ぶか問題ですが、冒頭にも書いた通り、aptXと装着検知を重視するかどうかにかかっていると思います。
iPhoneなのでもともとaptXには縁がない、あるいはこれらの有無をさほど気にしないのであれば、多少安いEarFun Air 2 NCでも十分満足できるはずです。