FCNTが10月末に発表したらくらくスマートフォンの新モデル。すでに「らくらくスマートフォン a」が発売されているほか、そのSIMフリーモデルとなる「らくらくスマートフォン Lite MR01」も12月6日に発売予定。また、ドコモの新モデルとなる「らくらくスマートフォン F-53E」は2025年1月に発売予定となっています。
今回、「らくらくスマートフォン a」と「らくらくスマートフォン F-53E」をお借りしたので、「らくらくスマートフォン F-53E」を中心に見ていきたいと思います。
なつかしい雰囲気のデザイン
大きさ的には、「らくらくスマートフォン a」が6.1インチ、「らくらくスマートフォン F-53E」が5.4インチ。
背面デザインは、「らくらくスマートフォン a」が左上にカメラを配置。「らくらくスマートフォン F-53E」はセンターに配置。どちらも、カメラ下にたバイタルセンサーがあり、自律神経活性度の測定・管理を行えます。
ぱっと見、「らくらくスマートフォン a」のほうがイマドキのスマートフォンという印象ですが、「らくらくスマートフォン F-53E」は使い勝手やサイズ感をこれまでと大きく変えないでほしいとの要望を受けて開発されており、前モデルの「らくらくスマートフォン F-52B」とほぼ同じデザインを踏襲しているためです。
らくらくスマートフォンの特徴の一つが、ディスプレイ下部に配置されたホームボタン。どの画面にあってもこのボタンを押せばホーム画面に戻れるというのは、操作に迷った際の安心感につながりそうです。
らくらくタッチはオン/オフ可能
F-53Eには、「らくらくタッチ」という機能が搭載されています。これは、画面をタッチした際に、軽く押し込まないと反応しないというもの。押し込むと触覚フィードバックでクリック感も感じられます。
物理ボタンじゃないと操作が不安、タッチパネルで意図しない個所に触れてしまいわからなくなる……といったことを防ぐためには有効な方法ではないかと思います。
ただ、スマートフォンに慣れている人からすると、操作のテンポが悪くなる原因にもなってしまいます。ということで、設定からオフにすることも可能です。
操作のテンポは確かに悪くなるのですが、クリック感は結構好み。うまい具合に操作感と両立できるようにしてほしいものです。
なお、らくらくタッチは「らくらくスマートフォン a」は非搭載です。
カメラ性能は意外と良い
スマートフォンを利用する大きな目的の1つは、カメラではないでしょうか。
らくらくスマートフォンはカメラのUIも大きく変わっており、どこに何があるのかわかりやすくなっています。らくらくスマートフォンの想定ユーザーが設定などを変更することは少ないと思いますが、そうしたメニュー、モード選択などもわかりやすい印象です。
カメラ性能としては、F-53Eは5030万画素の広角と800万画素のマクロというデュアル構成。らくらくスマートフォン aは、5010万画素のシングル仕様です。
なお、撮影後は専用のアルバムアプリで表示できますが、編集などの機能はなく、とてもシンプル。一応、Googleフォトを利用することも可能です。
参考までに、いくつか撮影してみました。全体的にらくらくスマートフォン aのほうが色味があっさりというかのっぺりという印象。F-53Eは、そこらのミドルクラススマートフォンと比べても遜色ないのではないかと思います。
普通のUIなら欲しいという人も多そう
らくらくスマートフォンは、普通のスマートフォンっぽい「シンプルモード」に切り替えることもできますが、メニュー構成などはらくらくスマートフォンと同じでちょっと独特。
正直、この部分がバニラとは言わないまでも、標準的なAndroidと同等であれば、ホームボタンがあり、ストラップホール、3.5mmジャックを搭載する小型スマートフォンとして需要はあるのではないかと思いす。
高齢化が進むとはいえ、これからシニアになるのはスマートフォンに慣れ親しんだ世代です。らくらくスマートフォンというジャンル自体、先細りになっていくと思いますが、ノーマルなスマートフォンに転身してぜひ生き残ってほしいところです。