
EarFunが、同社ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「EarFun Air Pro 4+」を11月17日に発売しました。価格は1万3990円。Amazonブラックフライデーセールでは、1万1490円となっています。
8月に登場したANC特化モデル「Air Pro 4i」と異なり、Air Pro 4+は1年前のAir Pro 4をベースに、音質まわりを中心に大きく刷新した正統進化版です。Bluetoothは最新の6.0へ進化し、LE Audio、LDAC、aptX Adaptive、aptX Losslessに加えてハイレゾ認証も取得。1万円台とは思えないほど機能が充実しています。
EarFun初のハイブリッドドライバー構成
デザインはEarFun Air Pro 4と同様で、ステムが長めのよくあるイヤホンという外観です。

Air Pro 4+の最大の特徴は、10mmダイナミックドライバー(DD)と、自社開発の業界最小クラスBAドライバーを組み合わせたハイブリッド構造を採用した点にあります。

さらに、この2基のドライバーを最適に機能させるため、EarFun独自の「Nano Side-Fitted Acoustic Architecture(NSAA)」を導入。約11度のオフアクシス配置により磁気干渉を抑え、DDとBAの特性が自然に調和するよう設計されています。これにより、全帯域でバランスの取れたサウンドが実現されているとのことです。

実際に音楽を聴いてみると、低音の迫力と中高音のクリアさが共存しており、従来モデルよりも音のまとまりが良く感じられます。アプリには豊富なプリセットのほか、聴こえ方に合わせて最適化する適応型イコライザも用意されており、調整幅の広さはEarFunらしいところです。

装着感良好、操作も快適
装着感は良好で、装着検知にも対応しています。イヤーピースはXSからXLまで5種類が付属しており、耳に合わせて細かく調整できます。

イヤホンの側面上部にある丸い部分がタッチパッドになっており、タップや長押しで各種操作を行えます。

操作はデフォルトでは下記の通り。この操作はコンパニオンアプリで変更も可能です。
| 操作 | 左ユニット(L) | 右ユニット(R) |
|---|---|---|
| シングルタップ | 音量を下げる | 音量を上げる |
| ダブルタップ | 再生/一時停止 | 再生/一時停止 |
| トリプルタップ | 前の曲 | 次の曲 |
| 長押し | ノイズコントロール | 音声アシスタント |
軽く触れるだけで反応してしまうので、誤動作が心配な場合にはシングルタップのみ無効にするといった設定も可能。もちろん、すべての操作を一括でオフにすることできます。

進化したANC機能とアプリの充実
ANC機能に関しては、従来からANCのモードは若干減り、ディープANCやバランスANCがなくなっています。代わりに、ANCの効き具合を手動で調整可能になりました。
- AI聴覚適応型ANCモード:AIアルゴリズムによって、外耳道形状の個人差を考慮しながら、聴覚に対して最適なノイキャン効果を提供します
- AI適応型ANCモード:AIアルゴリズムによって、外部環境のノイズに合わせて、ノイズ低減の強さが自動的に調整します
- 手動調整:好みに合わせて強弱を調整可能
- ウィンドカットANCモード:風の強い環境あるいは地下鉄の駅などの場合にふさわしいです。イヤホンのマイクに当たる風切り音を低減します
また、外音取込モードも、以下の2パターンから選択できます。
- デフォルト
- バランスが良い
ただ、それぞれの違いは正直わかりませんでした。

このほか、ゲームモードのON/OFFもアプリ上から行えます。ゲームモードは、他社製品にも搭載されていますが、Bluetooth接続のバッファを削り、遅延を抑えるというもの。これにより、ゲームや映画などで映像と音のズレが気にならなくなりますが、バッファが削られるので、音飛びなどが発生しやすくなります。
また、EarFunデバイスでは初めて、LDACを有効にした状態でもマルチポイント接続が利用できるようになっています。ただし、アプリ上では併用は推奨しないということにはなっています。LDACが利用できるデバイスも限られているので、あまりマルチポイント接続の需要はないかもしれませんが、ひとまず出来るようになったのは歓迎したいところです。

バッテリー性能
バッテリー持ちは、ANCオフの場合にイヤホン単体で最大12時間、充電ケース併用で54時間。ANCオンだとイヤホン単体で最大8時間、充電ケース併用で36時間となっています。
なお、充電ケースはワイヤレス充電にも対応しており、3.5時間で充電可能。USB-Cでの有線なら2時間で充電が完了します。イヤホンの充電時間は、充電ケースにセットして1時間です。また、10分の充電で3時間の再生が可能な急速充電に対応しています。

まとめ
EarFun Air Pro 4+は、ハイブリッドドライバー構成という新しいアプローチにより、音質面で明確な進化を遂げたフラッグシップモデルです。最新コーデック対応、柔軟なANC調整、アプリの豊富な機能など、1万円台という価格帯を考えると非常に充実した内容になっています。
前モデルからは、ハイブリッドドライバー化、Bluetooth 6.0対応、LDACとマルチポイントの併用可能化、ANCの手動調整対応など、音質と使い勝手の両面で見逃せない進化が加わりました。
1万円台前半で購入できるハイエンド寄りの実力派として、広くおすすめできる一台です。「Air Pro 4の後継が気になっている」「普段使いしやすい高機能イヤホンが欲しい」という人には、特にフィットするモデルではないでしょうか。


