
サーモス株式会社が都内で2026年春夏新製品のプレス発表会を開催し、2月21日から全9種19アイテムを発売すると発表しました。今回の新製品は、近年の記録的な猛暑を背景とした大容量ボトルの需要増加と、多様化する保冷バッグへのニーズに応えるラインナップとなっています。
なお、製品はすべてオープン価格ですが、記事内ではサーモス公式オンラインショップ価格(税込)を記載しています。
市場環境と開発背景
発表会で社長室ブランド戦略課マネージャーの簑島氏は、国内ステンレス魔法瓶市場が年間約1300万本で安定推移している一方、2025年は物価高の影響で若干落ち込んだことを説明。一方で、2025年の東京における最高気温35度以上の日数が過去最多の29日を記録し、「猛暑というより酷暑」と表現されるような気象環境が続いていることを指摘しました。

この影響は保冷バッグ市場に顕著に表れており、サーモス直営店における保冷バッグの売上は2025年に前年比145%と大幅に増加。熱中症対策や水分補給への関心に加え、食べ物・飲み物の保冷や持ち歩き時の保冷への関心が高まっていることがうかがえます。
大容量タイプを強化した真空断熱携帯マグ&スポーツボトル
今回のボトルシリーズの開発テーマは「大容量タイプの強化」です。この背景には、2023年に実施した「夏場の運動時の水分補給量と水筒の容量」に関する調査で、容量不足を感じるユーザーが多く存在することが判明したことがあります。この調査結果を受けて2025年に投入した1.0Lの携帯マグや1.5Lの保冷専用ボトルは販売が好調で、大容量ニーズの高まりが裏付けられたとしています。

ユーザー分析から見えた課題と戦略
商品企画担当の近氏は、開発にあたって行ったユーザー分析から3つのポイントを挙げました。

第一に、JOSシリーズのキャリーループ機能が中学生層に高く評価されていることが購入者データから明らかになりました。指に引っ掛けて持ち運べる利便性が、通学やスポーツシーンで支持されているということです。
第二に、スポーツに打ち込む女子学生層が市場には多く存在する一方で、サーモス製品ではこの層を十分に獲得できていないことが課題として浮上しました。
第三に、購入動機が水筒のタイプによって異なることが判明しました。2Lクラスの大容量スポーツジャグでは「容量」や「熱中症対策」が購入のきっかけになるのに対し、通常のスポーツボトルでは「デザイン性」が重視されることがわかりました。
これらの分析を踏まえ、今回は女子中高生向けのカラーデザインを強化しつつ、既存ユーザーである大人向けのデザイン提案も充実させる戦略を採用したとのことです。
真空断熱ケータイマグ(JOSシリーズ)
人気の『真空断熱ケータイマグ(JOSシリーズ)』は、片手でさっと飲める「ワンタッチ・オープン」タイプが人気のシリーズ。キャリーループ付きで持ち運びやすく、折りたためる設計のためバッグ内でもかさばりにくい仕様です。容量は0.55L、0.75L、1.0Lの3サイズを展開します。

今回のリニューアルでは全パーツ食洗機対応となり、お手入れ性が向上しました。カラーは、未獲得だった女子中高生層を意識したブルーラベンダーとライトピンク、性別・年齢を問わず使いやすいチャコールとライトグレーの4色を展開します。

サーモス公式オンラインショップ価格は、0.55Lが3850円、0.75Lが4180円、1.0Lが4400円。
真空断熱スポーツボトル(FJUシリーズ)
『真空断熱スポーツボトル(FJUシリーズ)』は2024年に誕生した新しいシリーズ。クイックオープン構造が特徴のスポーツボトルに、最大容量2.0Lの大容量タイプが新登場しました。0.75L、1.0L、1.5L、2.0Lの4サイズ展開となります。

2.0Lタイプは口径7.4cmのワイドな開口部を採用し、大きな氷も入れやすく手洗いも容易です。回転数の少ないクイックオープン構造により、スポーツ時のハーフタイムなど忙しい場面でも素早く水分補給ができる設計になっています。

カラーは、幅広い年代で選べる定番の黒をアレンジしたマットブラック、女性向けの優しい色合いのアイボリーホワイト、女子中高生向けの爽やかなペールミント、おしゃれな男性向けのグレーネイビーの4色(0.75L・1.0Lのみ全4色、1.5L・2.0Lは2色)を展開します。

サーモス公式オンラインショップ価格は、0.75Lが4180円、1.0Lが4400円、1.5Lが4950円、2.0Lが5500円。
シーンレスに使える保冷バッグへの挑戦
商品企画担当の星野氏によると、深刻化する猛暑・酷暑の影響により保冷バッグへの需要が拡大を続ける中、コロナ禍を経てライフスタイルの多様化が進み、保冷バッグへの意識や需要も多様化しているということです。
従来のサーモス製品は、アウトドアや買い物シーンでの使用に傾倒した製品が中心でしたが、現在ではこれらのシーンに限らず、日常生活においても保冷バッグが必要不可欠なアイテムになりつつあります。そのため、シーンレスに日常使いが可能な保冷バッグの開発が必要だと判断したということです。

さらに、サーモスの保冷バッグ製品の中核を担うショルダーバッグモデルのユーザーからは、製品アンケートを通じて「手が塞がり、子供やベビーカーを連れる場合に不都合」「体の片側に荷重されバランスが取りにくい」といった使用時の不満が散見されることが判明しました。
これらの課題を解決しつつ、多様化する保冷バッグへの意識・需要に対応するため、サーモスからの新提案として開発されたのが、今回の保冷ショルダーバッグと保冷バックパックです。両製品とも、保冷バッグとしてもファッションバッグとしてもシーンレスに使用可能なデザインと仕様を採用している点が最大の特徴となっています。

星野氏は「保冷が不要の際はファッションバッグとして、保冷が必要となる際には保冷バッグへ早変わりする点が当製品の特徴であり、開発ポイントです」と強調しました。
保冷バックパック(RFP-016/025)
サーモス初となる保冷機能付きバックパックです。容量16Lと25Lの2サイズを展開し、カラーはオールブラックとダークグレーの2色となります。

バックパックが備える「両手が空く」「左右均等に荷重される」という特徴は、ショルダーバッグモデル製品に対するユーザーの不満をクリアにするだけでなく、多様化するライフスタイルにおける新たな価値提案になるという思いを込めて開発されました。
16Lモデルには4層断熱構造の「アイソテック」、25Lモデルには5層断熱構造の「アイソテック2」を採用し、高い保冷性能を実現しています。背面とショルダーテープ裏側にメッシュ素材を使用することで、暑い日でも蒸れにくい設計となっています。

デザインはミニマルながら機能性を兼備した仕様で、誰もが「シーンを選ばず使える」ことを重視しています。25Lモデルは週末のまとめ買いやアウトドアシーンにおいても安心して使用できる高い保冷性能を搭載しています。

サーモス公式オンラインショップ価格は、16Lが4400円、25Lが5500円。
保冷ショルダーバッグ(RFM-003/RFO-007)
日常使いとしても使える2way仕様の保冷ショルダーバッグも新登場しました。体にフィットするハーフムーン型(約3.5L)と、収納力に優れたボックス型(約7L)の2タイプを展開します。

アウトドアや買い物シーンはもちろん、シーンレスに日常使いがしやすいよう、シンプルなデザインと仕様を採用しています。2型番ともにサーモス独自の4層断熱構造「アイソテック」を採用しており、保冷バッグとしての性能も十分に備えています。
ハーフムーン型は500mlペットボトル3本を横に収納可能で、一人暮らしの方のちょっとした買い物や、チョコレート、リップなどの温度管理が必要な小物の持ち運びに適しています。ボックス型は500mlペットボトル6本を縦に収納可能で、家族でのお出かけや運動会、ピクニックなどのイベントシーンでも活躍します。
サーモス公式オンラインショップ価格は、ハーフムーン型が2200円、ボックス型が2750円。
サーモス独自の断熱技術「アイソテック」
今回の保冷バッグ製品には、サーモス独自の複合断熱構造「アイソテック」シリーズが採用されています。
アイソテックは2000年代前半から保冷バッグ向けに開発され、高い保冷性能とクッション性能を両立する複合断熱構造です。1990年代のキャンプブーム時にサーモスはアウトドアブランド「FIELD THERMOS」を立ち上げ、その3年後の1993年にハードクーラーに勝るとも劣らない高性能ソフトクーラーを発売してソフトクーラーの認知を拡大したとしています。

ショルダーバッグとラウンド型バックパック(16L)には3〜4層断熱構造の「アイソテック」、ボックス型バックパック(25L)には5層断熱構造の「アイソテック2」を採用し、それぞれ最適な保冷性能を実現しています。

その他の新製品
保冷マイボトルポーチ(APQ-350/500)
水筒をポーチに入れたまま飲める新構造を採用しています。ストラップを引くだけで水筒を取り出せる仕様にリニューアルしました。約0.35L用と約0.5〜0.75L用の2サイズを展開します。

2019年に発売した『マイボトルポーチ(APGシリーズ)』は、「ケータイマグを肩から下げて持ち運べるポーチがほしい」というユーザーの声を受けて開発され、子供だけでなく大人にも好評を得ています。今回はさらに使いやすさを向上させ、保冷バッグとしても使える仕様になっています。
サーモス公式オンラインショップ価格は、0.35L用が1430円、0.5〜0.75L用が1650円。
マイボトルポーチ(APO-600/750/1000)
水筒を傷から守るシンプルなポーチに、大容量ボトル需要の高まりを受けて0.6L・0.75L・1.0Lの3サイズが追加されました。これまで0.5Lサイズのみの展開でしたが、フタのないシンプルな構造や、ボトルの傷付きを防ぐ丈夫な底面が特長で、子供のいる家庭を中心に高い支持を得ていることから、大容量サイズを展開することになったとのこと。
サーモス公式オンラインショップ価格は、0.6L用が1540円、0.75L用が1650円、1.0L用が1980円。
真空断熱カップ(JTE-300/400)
内面に独自のセラミック加工「セラクリーンコート」を採用したカップが初登場しました。汚れが落ちやすく乾きやすい特性を持ち、お手入れが簡単です。ステンレス製魔法びん構造により、温かい飲みものでも外側が熱くならず、冷たい飲みものでも結露しにくく、快適に使用できます。0.3Lと0.4Lの2サイズで、ミントグリーン、ナチュラルホワイトなど4色を展開します。
また、本体とパッキンが一体構造になった専用の『マグカップ用フタAHA-001LD(S)』もリリースされます。パッキンを付けはずす必要がなく、お手入れがしやすい透明なマグカップ用のフタです。

サーモス公式オンラインショップ価格は、300mlが4620円、400mlが4950円。マグカップ用フタは715円。
真空断熱ジョッキ(JDK-602C/722C)
人気の真空断熱ジョッキがマットカラーにリニューアルしました。ステンレス真空断熱構造により保温・保冷の両方に対応し、飲み頃温度を長時間キープします。

氷が溶けにくく結露もしにくいため、テーブルを濡らす心配がありません。自宅でのスポーツ観戦や、ビール、ハイボールなどのアルコール飲料をゆっくり楽しむシーンに最適です。食洗機対応で丸洗いも可能なため、お手入れも簡単です。
容量は600ml(JDK-602C)と720ml(JDK-722C)の2サイズを用意。カラーは、モダンで上品なグレー、食卓を爽やかに彩るブルー、清潔感のあるホワイトの3色を展開します。
サーモス公式オンラインショップ価格は、600mlが6600円、720mlが7150円。
