GMOロボッツ、駅伝日本一の走りをヒューマノイドで再現へ 社会実装を見据えた実証プロジェクト

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GMO AI&ロボティク商事は4月2日、GMOインターネットグループ陸上部の走行データを活用し、トップアスリートの走りをヒューマノイドロボットで再現する実証プロジェクト「GMOインターネットグループ陸上部 – GMOロボッツ」の発足を発表しました。完全自律走行で人間の走行動作の再現を目指す取り組みで、競技参加だけでなく、将来的な社会実装につながる基盤技術の確立も視野に入れています。

2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づけ

発表会では、GMO AI&ロボティクス商事の内田朋宏社長が、ここ2年ほどのAIロボティクス分野の進化は非常に速く、2026年は「ヒューマノイド元年になる」との認識を示しました。

▲GMO AI&ロボティクス商事 内田朋宏社長

ヒューマノイドの優位性としては、1台で複数作業を担える汎用性、既存の設備や動線をそのまま使いやすい環境適合性、人にとって動きが理解しやすい親和性の3点を挙げています。

また、同社はヒューマノイドのレンタル事業や関連プラットフォームの展開も進めており、ヒューマノイドを現場で使いながらノウハウを蓄積しているとのことです。GMOロボッツは、そうした流れの中で立ち上がった技術実証プロジェクトという位置づけです。

GMOロボッツは陸上部の知見を活用するヒューマノイド競技チーム

GMOロボッツは、GMOインターネットグループ、GMO AI&ロボティクス商事、GMO Various Roboticsの3社で推進するプロジェクトです。GMO AI&ロボティクス商事の「モーション強化学習」と、GMO Various Roboticsの「自律走行技術」を組み合わせ、ヒューマノイドの走行性能や運動性能を高めていくとしています。

▲ヒューマノイドロボット「ひとみん」(Unitree社 G1)

特徴的なのは、今年のニューイヤー駅伝で大会新記録による初優勝を果たしたGMOインターネットグループ陸上部の選手データを活用する点です。トップアスリートの走行フォームをモーションキャプチャーで取得し、そのデータをヒューマノイドの動作学習に使うことで、より効率的で安定した走りを実現していく考えです。

発表会では、学習に必要なのは単純なデータ量ではなく、データの質だという説明もありました。通常の走行データはばらつきが出やすい一方で、トップアスリートの走りは一貫性が高く、学習用データとして質が高いとのことです。GMOインターネットグループ陸上部の選手データを使える点は、このプロジェクト独自の強みだとしています。

ロボット開発の知見を選手にもフィードバック

この取り組みは、ロボットのためだけのものではありません。発表会では、モーションキャプチャーで自分の動きを細かく可視化できたことで、選手側にも新たな気づきがあったという話もありました。

また、そのデータをロボットに反映したところ、片方に傾いてしまったことで、膝の出方の左右差や、上半身や体幹の使い方など、普段は意識しにくい部分を客観的に確認できたことが参考になったとのことです。

GMO側も、ロボット開発の過程で得られた知見を選手へ還元し、フォーム改善やケガの予防につなげていきたい考えを示しています。人がロボットに動きを教えるだけでなく、ロボット開発を通じて人も学ぶという、双方向のプロジェクトとして位置づけられています。

目指すのは「最速」ではなく社会実装につながる技術

GMOロボッツは、8月に中国で開催されるヒューマノイド競技大会への出場を目指しています。発表会では、昨年大会の優勝チームが秒速5メートル強で走行していた一方、GMOロボッツは現時点でテスト環境において秒速3メートル程度まで来ていると説明されました。

ただし、GMO側は「人類を超える最速のロボット」を目指しているわけではないと明言しています。質疑応答では、社会実装に必要な技術課題を解決するために、人間のフォームをまねて、人間と同じくらいの速度で走らせることをまず目標にしていると説明していました。つまり、速さそのものを競うのではなく、その過程で得られる技術を重視しているというスタンスです。

▲デモンストレーションとしての走行風景

競技の話に見えて、実際は社会実装のための実証実験

今回の発表は、ヒューマノイドが人の走りをどこまで再現できるかというデモンストレーションとしても興味深いものですが、本質はそこではなさそうです。競技大会への参加は目標の1つである一方、主眼は、将来の社会実装につながる基盤技術を高い緊張感のある環境で検証することにあります。

2026年を「ヒューマノイド元年」と捉え、実際の現場で役立つ技術をどう積み上げていくか。そのために、駅伝日本一の走りを学習データとして取り込むというのがGMOロボッツの立ち位置です。単純な速さを競うのではなく、社会で使えるヒューマノイドに必要な技術をどう磨いていくのかという点で、今後の展開に注目したいところです。

ガジェットなど好きなことをブログやWEBメディアなどに書いて生きています。ライター仕事は常に募集中

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