
ASUSは4月8日、Copilot+ PCの新モデル「ASUS Zenbook SORA 16 (UX3607OA)」を発売しました。価格はMicrosoft 365 Personal(24ヶ月版)付属の上位モデルが36万9800円、バンドルなしの標準モデルが33万9800円。カラーはザブリスキーベージュの1色展開です。
昨年レビューした14型の「ASUS Zenbook SORA」と同じシリーズですが、今回から16型モデルも新たに追加されました。プロセッサーもSnapdragon X2 Elite Extremeという新世代チップにアップグレードされています。
16型なのに1.2kgという軽さ
Zenbook SORA 16は、16型ディスプレイを搭載しながら重さが約1.2kgに抑えられています。一般的に16型クラスのノートPCは、据え置き寄りのサイズ感になりがちです。持ち運べないわけではないものの、毎日バッグに入れて移動するには少し重いと感じることもあります。
その点、Zenbook SORA 16は「大きめの画面を使いたいけれど、できれば軽いほうがいい」というニーズにかなり素直に応えたモデルです。14型では少し窮屈に感じる作業、たとえばブラウザと文書、あるいは表計算とチャットを並べるような使い方でも、余裕があります。
本体サイズは約353.5×242.4×13.8〜16.5mm。数値だけ見ると16型としては標準的ですが、実際に手に取ると重さの印象が先にきます。片手で持ったときの負担感は、このクラスとしてはかなり小さめです。毎日持ち歩くモバイルノートとしても現実的なサイズ感にまとまっています。

筐体の素材には、前モデルに引き続き、ASUSが開発した「セラルミナム」を採用。アルミニウムとセラミックを融合させた素材で、耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐衝撃性などに優れています。さらっとした感じで手触りも良好です。
ザブリスキーベージュは、落ち着いた色味で、いかにもモバイルPCらしい道具感と、少し柔らかい印象の中間あたりにあります。ビジネス寄りにも、日常使い寄りにも振れるデザインです。


ディスプレイ・キーボード・タッチパッド
ディスプレイは16型のOLED(有機EL)で、解像度は2,880×1,800ドット(120Hz)。14型モデルは1,920×1,200ドット(60Hz)でしたが、今回は解像度・リフレッシュレートともに大幅にアップしています。OLEDらしい深みのある黒と鮮やかな発色は相変わらず素晴らしく、アスペクト比16:10の縦に広い画面は作業効率にも貢献します。
キーボードは84キーの日本語配列。イルミネートキーボードを搭載しており、暗い場所でも視認しやすいです。キーピッチは19mmで、打鍵感は前モデルと同様に適度な反発があって打ちやすい印象です。

タッチパッドは大型のスマートジェスチャー対応。左端上下スライドで音量調整、上端左右スライドで早送り/巻き戻し、右端上下スライドで明るさ調整が行えます。このジェスチャー機能は使いこなすとなかなか便利で、前モデルから継続しているポイントです。

片手でスムーズに天板を開けられるEasyLiftヒンジも引き続き搭載。地味ですが毎回使うたびに快適さを感じます。
インターフェース
インターフェースは向かって左側面にHDMI×1、USB4(Type-C/Power Delivery対応)×2、ヘッドホン/ヘッドセットコンボジャック×1。右側面にUSB3.2(Type-A/Gen2)×1、そしてSDカードリーダー×1。


14型モデルにはなかったSDカードリーダーが追加されているのは、16型という画面の大きさも相まってコンテンツ制作用途を意識した仕様なのでしょう。カメラで撮ってきた写真や動画をその場で取り込めるのはありがたいです。
ベンチマークで実力を確認
搭載するSnapdragon X2 Elite Extreme(X2E-94-100)は、前モデルで使われていたSnapdragon X EliteやSnapdragon Xの上位に位置する最新チップ。48GBのLPDDR5X-9523メモリと組み合わさって、どこまでパフォーマンスが上がっているか確認してみます。
ASUSデバイスといえば、MyASUSアプリでファンモードの設定を行えますが、今回はすべてパフォーマンスモードで測定しています。
CINEBENCH R23
- シングルコア:1586pts
- マルチコア:17523pts

CINEBENCH 2026
- シングルコア:627pts
- マルチコア:6410pts

3DMark
グラフィック性能を測る3DMarkの結果は下記の通り。比較として、2025年発売の14型 ASUS Zenbook SORA、Snapdragon X Elite搭載のUX3407RA(32GB)、Snapdragon X搭載のUX3407QA(16GB)、Vivobook S 14 OLEDのスコアも載せています。
Snapdragon X2 Elite Extremeのグラフィック性能はかなり高く、今回はRadeon 890Mを上回る結果となりました。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク
試しに、ベンチマークとしては負荷が高めなFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマークを実行した結果が下記。ASUS Zenbook SORA 16 (UX3607OA)は、軽量品質で「8470(快適)」、標準品質でも「6422(快適)」となりました。設定次第ではゲーム用途にも対応できる性能です。


ゲーム性能もある程度期待できる
従来、ArmベースのCopilot+ PCでは、アンチチートプログラムが入ったオンライン要素のあるゲームはほぼプレイできないという状況が続いていました。しかし、2025年末から「EAC(Easy Anti-Cheat)」がARM64に対応。徐々に対応ゲームが拡大してきています。
もともとEACなどを採用していない(オンライン要素がない)ゲームでは、Snapdragon X搭載のPCでもほとんどの場合は問題なく動作していましたが、今後はオンラインゲームも楽しむことができそうです。

Premiere Proでの書き出しも実用的
ゲーム目的でCopilot+ PCの購入を検討する人は少ないと思うので、実作業で使いそうな動画の書き出しも確認してみました。
Adobe Premiere Proで1時間20分の4K@30fps動画を書き出したところ、かかった時間は約50分。かなり実用的な範囲ではないかと思います。

バッテリー持ち
カタログスペックでのバッテリー駆動時間は約22時間。JEITA測定法3.0では動画再生時に約12.1時間、アイドル時に約13.8時間となっています。また、PCMark 10のバッテリーベンチマーク(Applications)では、10時間25分という結果になりました。

16型でこのバッテリー持ちはかなり優秀だと思います。ACアダプタなしで一日外出してもバッテリー切れを心配しなくて良さそうです。なお、付属のACアダプタは130Wですが、100W出力のモバイルバッテリーでも充電は可能でした。
Snapdragon PCへの印象を変える一台
これまで、Snapdragon搭載のCopilot+ PCは、リコールをはじめとしたAI機能が豊富なものの、パフォーマンス面では若干劣り、対応アプリも限定的。その分価格が若干安いというイメージがありました。
しかし、ASUS Zenbook SORA 16 (UX3607OA)はそうした印象を払拭するパフォーマンスを持っています。
CINEBENCH R23のマルチコアスコアは17523pts、3DMarkのグラフィック性能もRadeon 890Mを上回るなど、純粋なスペックで見ても他のプラットフォームと十分に戦える水準に達しています。EACのARM64対応が進んだことで、これまでネックだったゲームの互換性問題も解消されつつあり、「Snapdragonだから妥協が必要」という場面は着実に減ってきています。
16型OLEDで約1.2kgという軽さ、22時間のバッテリー持ち、充実したインターフェースと、弱点を探すのが難しい仕上がりです。価格は33万9800円〜と高めですが、このサイズ・重量でこのスペックを実現していることを考えると、妥当な設定だと思います。毎日持ち歩ける16型PCを探しているなら、現時点でトップクラスの選択肢となりそうです。

