今回のほこたてでネットセキュリティソフト vs ハッカーの対決があったのですが、内容があまりにも酷すぎます。
対決のルールとしては、写真を3分割して3台のパソコンに隠し、ハッカーが1台ずつパソコンに侵入して画像を見つけ出すというもの。制限時間は15時間。
結論からいうと、対決自体はネットセキュリティソフト側の勝利でしたが、実質的にはセキュリティの完敗といっていいでしょう。ハッカー側は2台目にある画像を見つけ出すことはできませんでしたが、1台目、2台目ともパソコンへの侵入は30分で完了しています。
そしてセキュリティ側の画像の隠し方がせこい。1台目は画像ファイルを5万枚用意しすべて目的の画像と同じ名前にするというもの。2台目は目的の画像のファイル名そのもの変更するという方法。すでにセキュリティソフトは関係がありません……っと思ったら、どうもフジテレビの編集、演出が最悪なだけでセキュリティ側はそれなりの対応をしていたというのが実際のようです。
まず1台目の環境は Windows2000 server spなし。この時点でいろいろあれですが、番組の要請だったようです。2台目の環境はWindowsXp spなし。わざわざ侵入されやすい環境を用意していたということですね。30分で侵入を許したのも納得です。
また2台目の「ファイル名変更」も実際にはTrueCryptの暗号化ドライブを使用していたとのことですが、番組的に素人にわかりやすいよう「ファイル名変更」ということにしてしまったようです。なんかまったく違うけども。
3台目のマシンにはセキュリティホールはなかったとのことなので、そもそものシナリオとしては「1台目、2台目を突破したけど3台目で苦戦しセキュリティ側の勝利」というのを描いていたのでしょう。今回はハッカー側が「今回のルールでは勝てない」と途中棄権してしまいシナリオが崩壊、結果として90%ぐらいカットされた編集となったようですね。せめて2台目で暗号化ドライブを使用していたということを言ってくれればセキュティの啓蒙にもなったんでしょうけど……。
まぁ、なんだ。所詮TVなんてこんなもんだよなというのと、穴だらけの古いOSはさっさと捨てようというのをあらためて思い知ったことだけは間違いありません。
(via Twitter(lumin)(ネットエージェントの社長さんのアカウント))
追記:セキュリティ側社長さん(lumin)のTweetが纏められていました。これを読むとやはりセキュリティホール満載のOS(侵入は容易な環境)を使用したものの、その後の部分は本格的なセキュリティ対策を行なっていたようです。そこらへん、まるっとカットされてなんだかわからない話になってしまっていましたが。