12月に発売される新しいMac Proが、性能が高すぎて日本ではスーパーコンピュータ扱いになってしまうのではないか、という話題が出ています。
新型Mac Pro、あまりにも高性能すぎて日本ではスパコン扱いに!? : ギズモード・ジャパン
現在の規定では処理能力が1.5TFLOPS以上のものがスーパーコンピュータ扱いになり、新しいMac Proは最低構成でもこれを超えてしまう(CPUだけでなくGPUの処理能力も合わせて考えるのだそうです)という話なのです。これだけだと「ふ~ん」で終わってしまい、肝心のスパコン扱いになるとどうなるかというのがまったくわからなかったので、ちょっと調べてみました。
まぁ、しらべるまでもなくTogetterでまとめられていましたが。
「デスクトップPC=スパコン」問題ふたたび – Togetter
要点を書きだすと、
- スーパーコンピュータ扱いになると、国立大学、研究所、独立行政法人などの機関は勝手に購入することができない
- 上記機関ではスーパーコンピュータを購入する際、政府調達という手続きを踏む必要がある
- 政府調達では申請から購入まで1年半近く掛かる
- 政府調達は基本的に入札になる(必要最低限の仕様を指定し、それを満たすものを各メーカーが売り込む)
- 政府調達では機種指定での購入(申請)ができない
- 政府調達ではOS指定での購入ができない(研究等でどうしても必要なアプリがそのOS上でしか動かない場合にはその限りではないらしい)
- 政府調達の手続き(申請)は煩雑で一般の研究者などが行えるものではない
ということのようです。要するに該当機関ではMac Proを購入することはほぼ不可能ではないかというのが問題になっているわけです。
政府調達というのは読んで字のごとく政府が調達するということですが、日本はWTO政府調達協定というのに加盟しており、一定水準以上の物品やサービスを購入する際には所定の手続きを踏むことになっています。これは政府調達に関して新興国や新興メーカーでも参入しやすいようにということなのですが、スーパーコンピュータも対象製品として指定されており、その対象となる性能基準が「コンピュータの処理速度が1.5TFLOPS以上」と定められています。
この「1.5TFLOPS」という基準、当初300MFLOPSだったものが平成7年に5GFLOPS、平成11年に50GFLOPS、平成12年に100GFLOPS、平成17年に1.5GFLOPSというように改定されているのですが、平成17年以降、変更されていません。
このため、市販のPCの性能がスーパーコンピュータの基準に追いついてしまった格好です。なお、Mac Proに限らず、現在のWindows機であっても1万円程度のグラフィックカードを追加すると1.5GFLOPSの基準は超えてしまいます。さらにはPS4も1.5GFLOPSを超えているそうです。
8年前というと、PCではPentium Dとかが出てきたころですね。2コアになってすげー!と言っていた時代ですね(いまではスマートフォンも4コアが当たり前になってきていますが)。
結局のところ、Mac Proがスパコン扱いになるのかどうかはよくわかりませんが、量販店で売っている(売る)んだし、予算内で買っちゃダメなんですかね?