海外ではすでにGalaxy S7の販売が開始されており、香港の1Shopmobileなどにも入荷が始まっています。eBayにも出品が多くなっていますが、Galaxy S7には販売地域により幾つかのバリエーションがあり、購入時には注意が必要です。
複数のGalaxy S7
従来通りではあるのですが、Samsungの端末は販売地域により微妙に差異があるモデルが存在しています。Galaxy S7も例に漏れず、幾つかの型番が確認されています。
欧州で販売されているグローバル版のSM-G930F、香港などで販売されているデュアルSIM仕様のSM-G930FD、そして米国向けのSM-G930R4、米キャリア向けのSM-G930V(Verizon)、SM-G930A(AT&T)などです。
デュアルSIM仕様
デュアルSIMのSM-G930FDですが、SIMスロットが2つあるわけではなく、SIMスロット内になるmicroSD用の部分にSIMを置く兼用タイプとなっています。このため、デュアルSIMで使う場合にはせっかく復活したmicroSDをあきらめる必要があるのです。日本国内ではデュアルSIMでは使えないので関係ないけど(その前に技適の問題もあるけど)。
Exynos 8890とSnapdragon 820
そんなデュアルSIM版のSM-G930FDとグローバル版のSM-G930Fとではスペック的な違いはありませんが、これらと米国版とでは大きく異なる点があります。それがチップセット。グローバル版ではExynos 8890ですが、米国版のみSnapdragon 820となっています。
ではSnapdragon 820版を入手するなら米国版を購入すればいいのかという話ですが、実は両者では対応するモバイルネットワークも異なっており、米国版(Snapdragon 820版)では日本で広く使われているLTE Band 1に対応していません。
Exynos 8890とSnapdragon 820でどの程度の性能差があるのかはわかりませんが、おそらくは気にするほど違わないんじゃないかと思います。
(参考)主な対応バンド
- SM-G930F / SM-G930FD
- 3G WCDMA: B1(2100), B2(1900), B4(AWS), B5(850), B8(900)
- 3G CDMA: –
- 3G TD-SCDMA:B34(2010), B39(1880)
- 4G FDD LTE: B1(2100), B2(1900), B3(1800), B4(AWS), B5(850), B7(2600), B8(900), B12(700), B13(700), B17(700), B18(800), B19(800), B20(800), B25(1900), B26(800), B28(700)
- 4G TDD LTE: B38(2600), B39(1900), B40(2300), B41(2500)
- SM-G930R4
- 3G UMTS: B1(2100),B2(1900),B5(850),B8(900)
- 3G CDMA: BC0(800), BC1(1900)
- 3G TD-SCDMA: B34(2010), B39(1880)
- 4G FDD LTE: B2(1900), B4(AWS), B5(850), B8(900), B12(700), B13(700), B18(800), B19(800), B25(1900)
- 4G TDD LTE: B38(2600), B39(1900), B40(2300)
カラーバリエーション
各国で販売されている端末のカラーバリエーションにも違いがあります。S7には、ブラック、ゴールド、ホワイトの3色のバリエーションがありますが、香港ではブラックは販売されておらずゴールドとホワイトのみ、Cloveなどが扱う英国ではホワイトがなくゴールドとブラックのみ、Handtecが扱っている欧州(EU)版では3色とも設定されています。
リージョンロックに注意
すでにeBayなども販売が開始されていますが、購入時にはリージョンロックに気を付ける必要があります。
Samsungは不正転売の抑制を目的としたリージョンロックというものを一部地域の端末に施しています(香港版などアジア圏では未実施のようです)。これは、その端末が販売された地域のSIMしか利用できないというSIMロック的なものとなっています。
ただし、その地域のキャリアのSIMで5分間通話を行えばロックが解除され、他の地域のSIMも利用可能になります。
英Cloveではこのリージョンロックを解除した状態(5分間通話をした状態)で発送してくれるので問題ありません(そのため、手元に届くときにはパッケージが開封されています)が、eBayなどで購入する際には注意が必要です。購入した地域に出かける予定であれば問題ないですが、欧州版をもって米国へ行く予定、などの場合にはどうすることもできなくなります。
香港で販売されている端末にはこのリージョンロックは掛かっていないため、すでに販売中の1Shopmobile(ゴールドのみ)のほか、MATENRO-HK(代理購入 ただし香港店頭では初期ロット売り切れのため次回入荷待ち)、Expansysでの購入なら問題はないはずです。