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調べることは考えることではない

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頭のいい人が儲からない理由
頭のいい人が儲からない理由
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昨日に引き続き、頭のいい人が儲からない理由です。

いずれ、映像を検索できる仕組みが必要になるのは間違いない。ならば私がそれをやろう。

そう思った私は2001年に、「ストリーミング動画を合理的かつ効率的に探し出すポータルサイトのポータル」というサービスを提供するウェブストリームを立ち上げた。社長を他社からスカウトし、別に企画にXという人物を採用した。Xは東大出身、大企業の幹部経験者で、企画担当だった男だ。ところが、実際一緒に仕事を始めてみると、非常に困ったことになった。たとえば、「考えてくれ」というオーダーに対して、彼は調べてくるばかりなのである。

(中略)

結局、Xにとって「考える」ということは、人生のどこかで「調べる」と同義になってしまったのだろう。しかしながら、いまの日本ではそれほど不思議なことではない。むしろ、Xのように、エリートと呼ばれ仕事ができると思われている人ほどこの傾向が強いように思われる。

いっておくが、考えると調べるはまったく違う行為だ。考えるはインサイドワーク、調べるはアウトサイドワーク。両者が連動して行われることはあっても、両者の間に共通項はない。先生から「アリはなんで行列をつくるのか考えてみましょう」と言われた小学生は「一匹だと迷ってしまうからかな」と、必死で自分の思考を働かせようとするだろうし、「なんで行列をつくるのか調べてみましょう」といわれたら図書館に本を探しに行くに違いない。考えると調べるではそれだけ行為が異なるのだ。

これを読んでいるときに内心、自分もそうかもと思ってしまいました(別にエリートだと言っているわけではありません、念のため)。何かを考えようとするときに、無意識にどこかに正解があるのではないかと思って調べてしまう。自分で考えなくても、Googleで検索をすれば大抵のことはわかります。しかし、何かあたらしいことを始めようというときにいくら調べてみても答えが見つかるはずがありません。しかし、世の中には多くの「成功の為のハウツー本」があり、その通りに実行すれば成功できると思っている人も多そうです。それについて、筆者は「ビジネスにこうすれば必ず成功できるなどという法則はない」と一蹴しています。

だいたい、成功というのはさまざまな条件が合わさった結果のはずである。それを、成功の要因はこれと断定するのがまずおかしいと思わなければならない。それなのに、置かれている状況やポテンシャルの違いなどまるで無視して、この通りやれば自分も成功すると思って読むから失敗するのである。

それに、こうすれば成功するという誰にでも通用する方法があるなら、先を争ってみんながそれを真似するだろう。だが、他人と同じことをやっていたら競争には勝てないのだから、すぐにその成功法則は役立たずになるはずだ。

そして、こうもいえる。世に出回っている安っぽい成功法則を無邪気に信じている人間がたくさんいるから、自分の頭で考え努力する人間の成功する機会が増えるのだと。

本書では一貫して「考える」ということを強調しています。何をやるか(What)ではなく、どうやるか(HOW)を考えるということです。しかし、いくら考えたところで、その先には決して答えはありません。いくつもの仮説を立て、熟考し、その中から最も確実だと思えるものを実行する。当り前のことですが、この当たり前の事をやれる人は意外に少ないように思えます。思いつきや努力や根性などの精神論で突っ走ってしまいがち。

この世の中にはアイデア勝負、思いついたら先に動いたほうが勝ち。

こういう言説がメディアで幅を利かせているようだが、賢明な読者はまかり間違っても、こんな与太話を信用してはいけない。見る前に跳べというのは、曲がりなりにもビジネスの世界で成功しようと思うのなら、いちばんやってはいけないことだと心得るべきである。

(中略)

極論すれば、成功者になれるかどうかはどこまで執念をもって考え抜くことができるかの差なのであって、人と違うことを思いつくとか、フットワークがいいとかそういうことは、あまり関係ない。だから、この国の礎となりたいという奇特な人以外は、見る前に跳べではなく、跳ぶ前にじっくり考えることを、つねに心がけていただきたい。

本当にびっくりするくらい、毎ページのように新しい発見や気付きがある本です。多くの人にぜひ一度は読んで欲しいと思います。

ガジェットなど好きなことをブログやWEBメディアなどに書いて生きています。ライター仕事は常に募集中

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