2045年には、AIが自身を改修出来るようになるシンギュラリティ(技術的特異点)を迎え、人間の知性を超えるとの予測があります。ようするに、AIが自分よりもわずかでも優れたAIを生み出せるようになると、あとは雪だるま式に性能が向上していくという話です。
そんな時代がすぐ目の前に迫ってきている中、AI絡みでよく聞く機械学習やディープラーニング、そしてAIの普及によってどんなことが起こるのかが解説された「キーワードで読み解く人工知能 『AIの遺電子』から見える未来の世界」が発売されました。
価格 ¥1,620 (2018/08/04 20:37時点)
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AIの遺電子から読み解くAIのキーワード
「AIの遺電子」は、AIが発達した近未来、ロボットやヒューマノイドなどAIの持つ問題を治療する医師を通じ、AIとの共存はどうあるべきなのかを考えさせられるSF作品。第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で優秀賞も受賞しています。
価格 ¥429 (2018/08/04 20:38時点)
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本書は、AIの遺電子に登場する設定やキャラクターを交えつつ、AI関連の用語を分かりやすく解説するのがメインです。人工知能について、その仕組みを解説するようなものではありません。
本の帯にもありますが、一般・ビジネス教養としてAIの話題を知るための本といった感じです。
Amazonで公開されているキーワードは下記のようなもの。
- 人工知能の歴史
- シンギュラリティ
- 機械学習
- ディープラーニング
- AIには「まだ」できないこと
- ロボットとAI
- 産業AI
- 自動運転技術
- AIに奪われる仕事
- AIに自我はあるのか?
- 人間のもつ感覚の再現
- AIの「命」と「死」
- AIと恋に落ちるか
- ベーシックインカム
- AIの危険性や懸念点、など
AI関連でよくある技術書とは違い、分かりやすくかみ砕いた表現が使われています。また、AIの遺電子の話もうまく使われているので、同作を読んでいる人のほうが、理解がはかどるかもしれません。このせいなのかもしれませんが、全体的に専門書というより、IT系WEBメディアのコラムのような雰囲気があります(著者の1人、松尾公也さんはITMediaの人でもあります)。
また、4月に発表されたMITのAlterEgoや、ソフトバンクが買収したBoston Dynamics、量産タイプも発売された俺の嫁召喚装置GateBoxに触れているあたりもWEBメディアっぽさを増加せています。
しかし、スーパーコンピューターやGPUを使ったディープランニングは解説されているものの、量子コンピューターによる機械学習など、これからの技術に触れられていなかったのがやや残念。もっとも、量子コンピューターはまだこれからの技術ではあるので、その意味でも、まさに「AIにまつわる今」を解説している本とも言えそうです。
なんにしろ、AIや機械学習など、なんとなく単語は見たり聞いたりしてはいるものの、どういったことなのかはよくわからないという人にとっては、最適な入門書ではないかと思います。
ギガ盛りブログ飯の参加特典で献本頂きました
本書はオンラインサイト「ギガ盛りブログ飯」の参加者特典と献本して頂きました。
1ヵ月に3冊程度までさまざまな書籍が読める(要アウトプット)ので、それだけでも十分に元が取れるのではないかと思います。
なお、入会時に紹介者として私の名前を入れてもらうと、1か月分の会費が無料になるそうです。