スマートフォンやGoogle HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーから操作できるスマート家電が注目されていますが、まだまだ対応している家電は少数です。そんなときに便利なのがスマートフォンから操作できる赤外線リモコンです。
そんな赤外線リモコン「ここリモ」を中部電力が発売しました。すでにeRemoteやNature Remoなど、同様の製品がいろいろとリリースされていますが、既存の製品にはないちょっと変わった機能が搭載されていたりもします。
中部電力の据え置き型赤外線リモコン「ここリモ」
ここリモは据え置き型の赤外線リモコン。黒一色でどこにもロゴなどもありません。外装はプラスチックでちょっと埃が付きやすいの難点。
白いほうが埃も目立たず良さそうな気がしますが、赤外線の発光・受光部は黒いほうが光が拡散しやすいとの理由があるのだとか。
背面には充電用のmicroUSBポートとリセットスイッチがあるだけのシンプル仕様です。
セットアップはスマートフォンにインストールした専用アプリから行います。なお、7月20日時点ではiOS版のみリリース済み。Android版は8月中旬にリリース予定です。
手順としては、スマートフォンからここリモのWiFiに接続し、その後ここリモが接続する家庭内のWiFiを指定というよくある流れです。また、この手のIoT機器では普通のことですが、利用できるのは2.4GHz帯のみとなっています。
機器の登録は少し面倒
現在「ここリモ」で扱えるのは「照明」「テレビ」「エアコン」のみ。それぞれ、ここリモ1台に付き1つのみ登録できます(同じ部屋に照明が2個あっても登録できるのは1つのみ)。
しかし、その登録に少し手間がかかります。
手元にあるリモコンを向けて……ではなく、メニューの中から該当する機種を選ばなければいけません。メーカー毎に分かれてはいるものの、機種名などがあるわけではなく「候補01(#729)」などの中から選ぶことになります。もちろん、自分の機種がどれに該当するのかなどわかりようもなく、基本的には上から順番に試してみて、正しく動作するものを探します。
学習リモコンのように自由に設定も出来ないので、リストにあるもので動かないと詰むことに。おそらく、大方のメーカー・機種はフォローしているのだと思いますが、この辺りはもう少し何とかして欲しいところです。
ただ、リモコンを向けて赤外線を照射し、該当する機種をデータベースから選んでくれる仕組みは9月中にリリース予定。学習リモコンとしての機能も追加開発中で、これに合わせて登録できる機器の種類も増える予定とのこと。機器登録の面倒さは、もうしばらくすれば解消されるかもしれません。
ちなみに私は、ここリモ2台を使って、
- 部屋:エアコン(日立)、照明(アイリスオーヤマ)
- リビング:エアコン(DAIKIN)、テレビ(シャープ)
を登録してみました。
「ここリモ」アプリから操作できること
「照明」「テレビ」「エアコン」の操作でスマートフォンから出来るのは下記。
- 照明:ON/OFFのみ
- テレビ:電源のON/OFF、選局、入力切替、BS/CS/地上波の切り替え、ボリューム調整
- エアコン:電源のON/OFF、風量/動作モードの切替、料金予測(後述)
メーカーや機種による違いはなく、メニューはすべて上記と同じ。ただ機種によっては動作しないボタンもあるとのことです。
現状やれることは少ないですが、8月中には照明の調色機能や地上デジタルの青/赤/緑/黄ボタンが追加予定。そのほか照明の調光機能やテレビのチャンネル番号表示なども対応が予定されています。また、学習リモコン機能が追加される際には、それぞれ任意のボタンも追加可能になるとしています。
特徴的なエアコンの料金予測
上記の機能の中で、特徴的なのが、エアコンの料金予測です。
電力会社らしい機能ですが、もちろん中部電力契約者以外でも利用可能。設定メニューから地域とエアコンの能力、製造年などを登録すると、概算で1時間~24時間の料金予想を計算してくれます。この予想、外気温や現在の設定温度も加味されているとのことです。
この時期、「ちょっとした外出ならエアコンをつけっぱなしにしたほうが電気料金がかからない」という話が話題になりますが、つけっぱなしと消した場合、どちらのほうが料金がかかりそうか、判断するための目安にもなります。
快眠機能で熱帯夜も過ごしやすく
エアコン関係でもう一つ特徴的なのが、快眠機能です。
エアコンを何時間後にOFFにするおやすみタイマーはごく一般的ですが、夜中に暑くて起きてしまうこともありますし、最近ではうっかりすると寝ている間に熱中症にかかるなんてことも。一方で、エアコンをつけっぱなしにして寝ると、朝方に寒すぎることもあります。
この問題を解決できるのが、ここリモの快眠機能です。エアコンをオフにするのではなく、時間毎に温度を調整することで、暑すぎず寒すぎない、朝まで快適な環境を作るというもの。
睡眠のプロであるマットレスメーカーのエアウィーヴと共同で実証実験を実施し、その中で評価が高かった3つのパターンをプリセット。自分の好みあわせて調整することも可能です。
設定できるのは、スタートから2時間、起床時間から-2時間、その間の時間の5つ。たとえば、パターン1ではスタートから1時間は温度を少し低めの25度にし、あとは26度で朝までの設定。パターン2では、1時間後から温度を1度上げ、起きる直前に温度を1度下げる設定。パターン3は朝に向けて徐々に温度を上げる設定となっています。
最近のエアコンでは、ダイキンや三菱などで同様の機能を持つ機種も増えていますが、対応していないエアコンなら、かなり便利ではないかと思います。
スマートスピーカー連携は限定的
電気料金の予測、快眠機能と他社にない特徴的な機能を備えている「ここリモ」ですが、反面、スマートスピーカー連携については限定的です。現在対応しているのはAmazon Echo(Alexa)のみで、Google Home(Googleアシスタント)は8月中に対応予定。
スマートスピーカーで利用するには、ここリモの無料会員登録が必要となります(中部電力のカテエネ、ビジエネに登録済みの人はそのIDとパスワードを利用可能)。
現状、スマートスピーカー経由で操作できるのは電源のON/OFFのみで、エアコンの温度変更などは行えません。また、ここリモを複数の部屋に設置していたとしても、Alexaを連携できるのは1台分のみとなっています。
快眠機能を使いつつ、今後のアップデートに期待
正直なところ、他社の類似製品と比べて特別使い勝手がいいわけでもなく、スマートスピーカー連携についても決して多機能ではありません。
とはいえ、夏場のエアコン操作に限るなら、快眠機能はかなり魅力的。今年はとくに猛暑となっているので、活用する場面も多いのではないかと思います。
もう少しアプリの使い勝手や、スマートスピーカー連携がこなれてくるといいのですが、その辺りは今後のアップデートに期待したいところ。
そのアップデートの予定をまとめると、下記のようになっています。
- Android版ここりもアプリの提供(8月中旬予定)
- 照明の調光機能やテレビの地上デジタル 青/赤/緑/黄ボタン追加(8月中にリリース予定)
- 照明の調色機能、テレビのチャンネル表示機能(追加対応予定)
- 機器登録時、リモコンを向けて自動選択(9月リリース予定)
- 学習リモコン機能(追加開発中)
- 登録できる機器種類の増加(学習リモコン機能追加時にあわせて対応予定)
- Google Home対応(8月中に対応予定)
- スマートスピーカー連携時の機能追加(追加開発中)
8月~9月中にはだいぶ機能が増えるようです。これ以外に関しても、ニーズを聞きながら開発を進めていくとのことなので、要望があればどんどん挙げていくと良さそうです。
価格も4980円(税込)と比較的安価。機能が少ないとはいえ最低限のものは備わっており、快眠設定や電気料金予測など面白い機能もあります。今後のアップデートに期待しつつ使ってみるのも悪くはないかもしれません。
そんな「ここリモ」は、中部電力のカテエネWEB商店で購入可能。
また、Amazonでは8月13日に入荷予定。2018年8月1日~9月30日の期間、プロモーションコード「96E9XC3S」の登録で500円割引になるキャンペーンも実施されています。
※下記のAmazonリンク、現在リンク切れになっています。8月8日から販売再開とのことです。