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映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」は紛れもなく攻殻機動隊だけど、これまでのどれとも違う攻殻だった

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ハリウッド版の攻殻機動隊、映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観てきました。普段、洋画は字幕で観ることがほとんどなのですが、アニメ版の声優さんが吹き替えを担当しているので今回は吹替え版を視聴。

マンガやアニメの実写化、しかもハリウッドということで公開前から賛否が分かれていた本作ですが、エンターテイメントとして安心して楽しめる作品となっていました。ただ、「誰にでも薦められる傑作か?」と言われると、正直厳しい。原作にさして興味がないのなら、今なら「パッセンジャー」や「キングコング 髑髏島の巨神」のほうが楽しめると思います。

これまでのどれとも違う攻殻機動隊

ルパート・サンダース監督が押井監督版のアニメ映画「攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル」の大ファンだということもあって、その影響を強く受けているのが随所で観て取れます。トレイラーにもある少佐がビルからダイブするところや、光学迷彩を纏っての水辺での戦闘などアニメのシーンを思い浮かべた人も多いはず。本編ではオープニングを含め、そんなシーンがゴロゴロしています。

また、続編となる「イノセンス」へのオマージュも多く、こちらも観ているとあちこちで「ニヤッ」っとできること請け合いです。

雰囲気は間違いなく攻殻

全体的な雰囲気、設定は紛うことなく「攻殻機動隊」なのですが、ストーリーや背景設定はこれまでの攻殻のどれとも違う内容です。もっとも、TV版の「STAND ALONE COMPLEX」も「少佐が人形遣いに出会っていなかったら」というパラレルストーリーですし、それ自体は大した問題ではないのかもしれません。

▲芸者ロボのあたりはS.A.Cを意識してる?

ただ、公安9課の扱いがかなりぞんざいで、映画を観ただけではポジションがまったくわかりません。時代背景的には今回のハリウッド版が一番早い年代っぽいので、無理やり9課を使わずに攻殻の前日譚的な話としたほうがしっくりきた気もします。内容的にもあえて少佐である必要もありませんし。

▲トグサは、演技的にも役割的にも予想以上にトグサだった。

プロの犯行のファンメイド作品

率直な印象としては、ルパート監督が本当に攻殻が大好きで、自分で作りたくなって仕方なくなり、自分のために作ったファンメイドの同人作品といったところ。それが悪いという話ではなく、攻殻機動隊を知らない人にはあまり刺さらないだろうな、という感じです。

逆に言うと、先にも書きましたが、攻殻ファンならニヤッとできるシーンがふんだんに盛り込まれているので、「このシーンはあの作品のあの部分だな」と一つずつ見つけながら観るのも面白そうです。

ちなみに北野武の荒巻課長は、観終わった後だと「これはこれでアリかな」と思うようになりました。

とりあえず、字幕版でもう一回は観るかな。

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